「絶対映画がええ」
「ううん、クボタンはね動物園がいいに決まってるんだ」
「2人ともクボの休日の予定を勝手に決めてくれるなや」
オフを3日後に控えた大阪。練習の合間にも関わらず、フォワードの2人と10番が顔を突き合わせ、端から見れば談笑、見る人が見れば熱い火花が散る窪田のオフ争奪戦の火蓋が切って落とされていた。
「この前寮のテレビでいまやっとる海賊のやつクボめっちゃ熱い視線で見てたんや。いくらシムさんでも、クボと映画行くのは譲られへん」
「この前テレビでパンダみて喜んでたから、きっと東京でパンダみたいんじゃないかなぁ。俺も見たいんだよね、なんかもふっとしてるしクボタンと似てかわいいよね」
要するに片山は大阪で映画デート、志村は東京でパンダ見物デートという次第である。
そんな2人の会話を端で聞いているという苦労人役は畑である訳だが。
「シムさんは理解してへんよ。クボはああいう男らしい冒険に憧れたりすんねん。普段大人しいからって勘違いしたらあかん」
「カッタンは的外れだよね。クボタンは自分にそっくりなものに興味があるんだよ。のそっとしてもふっとしてふわっとして」
「シムさん擬態語多くて理解出来へんねん」
「カッタン荒いんだよねーツンツンしててガサガサ」
「ガサガサってなんやねん!ほんまシムさんわからんわなぁ畑!」
「頼むから俺に振るなや!巻き込まれてもええことないねん!そや、おい、クボ!」
畑が呼ぶとちょこん、と向こうから窪田が顔を出す。その後ろに平賀がいた。状況が読めているのかなんだかめんどくさそうな顔をしていた。
「お前、こんどのオフなんか予定あるんか?」
「あれ、暇ちゃうんか?」
「クボタンやることなさそうだからなぁ」
「なんも知らんと話してたんかい!」
「あ、えっと…」
やっと発言出来るように準備が出来たのかいつも通りの入りで話だそうとするも、勢いづいた片山と志村を止められる人間は誰も居なかった。
「クボ!映画見ようや!この前見とったやつみたいやろ?」
「あ、はい…」
「ねぇねぇクボタン。パンダ好き?かわいいよね、ふわふわしてるし。」
「あ、はい…」
「おい!おい!クボが話するとこやったろ!なに遮っとんねん」
「あ、はい、えっと…オフの日は…」
「映画?」
「パンダ?」


「ETUの椿くんと…遊ぶ約束してて」


前から大阪に来る約束があって、と続ける窪田の声が2人に届くことはなく、2人は練習に復活するのに平賀の握り拳を頭に食わなければならなかった。




Holiday happening




(おのれ椿…!!)
(負けらんないね、ねカッタン)
(頼むからあの2人の追跡計画立てるなや…!)


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企画「わはっと笑って」様に提出させて頂いた、
片シム(畑)→窪田でした^^
畑は隠れ好きだけどクボタンの幸せを一番に考える不憫です←
この場合の椿は只の友達でいいと思います。
志村なら友達と俺どっちが大事なの?とか言いそうですね。
この度は参加させて頂き
ありがとうございました!


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