※病み持田
微グロ注意























 つつ、と刃先が持田の腹を撫でるとひ、と椿は声を漏らした。腹からは赤黒いものがぷくりと溢れた。
「はは、焦りすぎ椿君」
そう言って持田は椿の項をさわり、と撫でる。シーツで持田の肌を押さえると白いシーツが色を付けた。じわりじわりと滲む血に恐怖を感じてう、とまた声を漏らしてしまうと、持田がまた笑った。
「あ、泣いてるよ」
「…っ」
泣きたくもなる。持田さんに手を添えられて握らされたナイフが持田さんの腹の上を滑るのだ。頬に落ちた涙を拭われる。試合の時みたギラギラとした持田の目をみる。
「自傷行為ってさ、よくわかんないよね」
あなたがしているのが正にそれだというのに。椿は嗚咽をかみ殺してシーツを握りしめる。ぽた、とシーツに涙が滲む。
「でも椿君が俺を思って泣いてくれるからサイコー」
「…っう、持田さ、持田さ、ん」
ごく浅い傷からの血は止まった。思い切り持田は椿の自分より小さな体を抱きしめた。
「傷つけないで、っくださいっす、持田、さ、」
「ん、ごめんね椿君もうしない」
赤黒い模様のシーツを握りしめて、愛しい人に向けての涙を流した。じわり、とまたシーツが濡れた。






傷付くことは判断材料













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病み持田。
寧ろうちではデフォ。

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