生きることをやっと自分の為の物にしたルークは、生き生きとして見えた。それは驚くほどの輝きだった。きらきらと降り注ぐ朝日と同時にみるあのあどけない寝顔と、普段見せる笑顔と、何もかもが眩しくてぞくっとしたのは初めてだ。まるで星が終わりを告げるときの最後の輝き。ルークの終わりへの最後の瞬き。
「がーいぃ」
「ん?あぁごめんごめん」
シングルのベッドに大の男2人はやっぱりきつかったが、乱暴にブーツを脱ぎ捨ててルークを腕の中に迎えると狭いはずが段々に心地よくなった。甘えたに戻ったのも久しぶりだ。最近は強がったルークしか見ていなかったから。
死を覚悟した。
生きたいと言った。
ルークには荷が重すぎる。そう感じていたのは俺だけじゃない。ルークだけが命を背負って、世界を託されて。俺たちは、俺はそれを見ているだけだったんだ。
「2人で寝るのは久しぶりだな」
「…すぐへんなこと言うよなガイは」
「前みたいに手でも繋いで寝るか?雷が怖いルークおぼっちゃまと手をつないで寝たっけなぁ」
「うわ言うなよそれ」
「お前にとっては恥ずかしいかもしれないが俺にとっちゃ最高の思い出さ」
手を取って指を絡めると、嬉しそうに目を細めて、恥ずかしそうに目を閉じて。
「おやすみルーク」
薄いピンク色をした頬にキスをして、絡めた指をみる。
いま透けた掌をどうしてつなぎ止めておけないのかと己の非力を憎んで握った手に力を込めた。


悲しいけど
いまはこのまま


(どうせ短い夢でもいまは浸りたいんだ)

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