神田悠ただいま16歳。
華の高校二年生です。
え?全然華やかさが出てない?
そりゃあ…
華やかさとかは持って生まれるものですしね。
え?なんか老けてる?

うるせえよ

わたしだってもしかしたらもっときゃぴきゃぴ!あはは!もーう、やめてってばあ☆みたいなJKだったかもしれない。
多分入る学校間違えたからこんなんになってしまったんです。



事の発端はきっとわたしが生意気にも中学受験して立海大付属中等学校に合格してしまったことだろう。
そしてバスケ部入るつもりだったのに初日に友達ができたことに浮かれすぎてそのままのノリで男子硬式テニス部のマネージャーになってしまったこと。

その友達はあまりの辛さに仮入部の時点ですぐやめてしまったらしいが、わたしは入学早々季節外れのインフルエンザにかかり学校を休み続けていたため知らなかった。
そしてようやく復帰した時に先生に促されるままに入部してしまったのだ。
ちなみに、友達はバスケ部に入った。
うらやま。


なんだかんだ入ってしまったので続けてはいたが、皆が大好きなレギュラーや、同じ学年の切原くんとは全く接触せずに引退を迎える。
準レギュラーの方々とはなかなか親密な関係を築けたと思っている。
その証拠に高校に入った今でも廊下ですれ違えば皆話しかけてくれる。



それだけならまだ、充実した中学生活をすごしたんだー、と言える。
しかし大変なのは今なんだ。
今。じゃすとなう。


わたしには、公立の中学校に通っていた友達がいる。
氷室彩音ちゃん
正直小学校の時は同じクラスではあったがそこまで仲良くはなか
しかし向こうは私のことを好いてくれているようで、中学校が離れてからというもの、頻繁に電話やメールをしてくれていた。
その子がこの立海を受験し、高校から通うようになった。



この氷室彩音ちゃん、誰もが羨む美少女なのだ。


そして天然。
性格は良い。



高校からはバスケ部に入るという硬い決意をぶち壊したのも彼女だ。




「悠ちゃんはテニス部のマネージャーだったんだよね?」
「うん、そうだよ。でもバスケ部に」
「そっか!わたしも入ろうかなあ?」
「良いと思うよ。でもわたしはバスケ部」
「悠ちゃん、一緒に頑張ろうね!」
「うん、え、わたしはバスケ部に入っ」
「入部届け出しにいこー!」



天然故の回避不可能な誘いにまたもわたしは流されてしまった。






それが始まりである。

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