バスはテニス部しか使わないからガラガラだった。
部長はもちろん彩音ちゃんと座っている。
その周りに密集して皆座っていた。
わたしは音楽プレーヤーも持ってきているし、少し離れたところに座ろうかな、と思ったが、彩音ちゃんが近くに座ろう!と呼びかけてきてくれたので彩音ちゃんの前の席に座った。
ちなみに二人がけの座席に一人で座っちゃってます!
快適…。
もちろん後ろに座っている彩音ちゃんたちが始めたトランプには混ざる気が無いので、伊織くんから来たさっきのメールを返す事にした。








to:伊織くん
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ありがとう(つω`*)
わたしも頑張るから伊織くんも頑張ってね!










もう帰りたいつらいとか書くと三分後に目の前に伊織くんがいてもおかしく無いので当たり障りの無い内容を書く。
瞬時に返信が返ってくる。
伊織くんちゃんと大学いってるのかな?
頭良いから心配はしてないけど…。
むしろ心配されるべきなのは…。
まあいいよそれは!






一通りメールの押収を終え、次第に眠くなってくる。
後ろではまだトランプが続いているようで、余裕そうに笑う声や引きが悪かったのかげ、と言う声が聞こえて来ている。
わたしは寝るために持ってきた音楽プレーヤーをリュックから引っ張り出してイヤホンを耳に装着した。
最近はすごい好きな人がいてそればっかり聞いている。
BIBLEとかprayerとかいい曲なんだよね…。
























「ねえ悠ちゃん、悠ちゃんも一緒に…あれ?」
「ふふ、寝てるみたいだね」
「悠ちゃんかわいー…」




「…ん…」




「あ、あんまり騒ぎ過ぎると起きちゃうかな?」
「早く次のやろうぜい!」
「はい!…っとその前に…」






ぱしゃっ!






「彩音、写真とったの?」
「はい!」
「…蓮ニ、何をしているのだ」
「何でも良いだろう」






ぱしゃぱしゃぱしゃぱしゃ






「柳連写!?」
「やるのう参謀…」




「じょ、女子の寝顔を無断で写真に取るなど…!」
「ふーん、俺も撮っておこう」




かしゃ!






「精市、」
「別に問題ないだろう?」



















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