「珍しく練習試合も試合も何も入ってないからね、いい機会だと思って。」





だから土日泊まり込みでがっつり練習しちゃおうか


傍に彩音ちゃんを置いてレギュラーにそういう部長。
その左手はもちろん彩音ちゃんの頭に置かれていた。
誰か不自然を感じろ。
と言いたいけれどこれはもはや自然な光景だから誰も何も言わないのはわかってる。
もちろんわたしも何も言わない。





「まあ急だからね。自由参加とは言っておくけど…わかってるよね?」
「も、もちろん行くに決まってんだろい!」



それは言外の圧力だった。
つまり誰も休むな、と。
そういう事だ。
全員参加する、という意思を伝えると彩音ちゃんは夜は皆でトランプしましょうね!と提案する。
それに満更でもない顔で応えている。



「悠ちゃんも!ね?」




皆でやれば絶対楽しいから!
隣にいる部長も彩音ちゃんも大変素晴らしい笑顔ですがなんだか片方はとても怖いです。
体感温度が。
しかし伝わってこない。
邪魔だから断れと言っているのか、それとも彩音ちゃんの誘いを断るなと言っているのか。
わたしにはわかりませんでしたごめんなさい!





そして夜は無理だと言いたい。




「神田」
「や、柳先輩」



助けてくれるのかな
さすが柳先輩かっこいいです
大人の男性って感じです




「諦めた方が身のためだぞ」





ですよねー







- ナノ -