Do you know ...?






《今回のゲストはー!?今大人気のイケメン俳優、白石蔵ノ介だー!!》
《きゃー!!》
《あ、こんにちはーよろしくお願いしますー》
《あー本当にかっこいいんだねー白石くん》
《あ、わたしファンなんですー》
《あは、遠藤ちゃん積極的だねー》
《だって本当にファンだったから…》
《それは光栄ですわ》



何とか一日を終えて、もう夜ご飯なんて作る気力がないのでスーパーで惣菜を買ってそれを食べる。
何の気無しに付けたテレビからは少し前から売れはじめたタレントが持て囃されている。
なんでも、たまたまゲストだった女性タレント(この人も新人ながら人気急上昇中だ)がファンだったらしくて、握手なんてしてもらっている。



「…はぁ、」



あんまり美味しくない。
油がまわってる。
というより噛む気力が残っていない。
こっちはこんなテンションなのにテレビの中はやっぱり白石蔵ノ介が何かと話を振られてそれに対して上手く切り返して会場を沸かせている。


あれ、携帯が光ってる。
誰かからメールが来たのかな。
スマホに変えたい、と思いながら携帯を開くとそこには『もうすぐ帰る』の文字。
ああ、そうか、帰ってくるのか。
いそいそ今まで食べてた惣菜を片付ける。
…シャワー浴びてこようかな。



ピンポーン



あ、帰ってきた。
スリッパをぺたぺた鳴らしながら迎えに行く。



「…おかえり」
「…ああ」
「夕飯は?いらない?よね?」
「ああ、いらんわ。もう俺このまま寝るわ」
「そう。じゃあシャワー浴びてくるから」



ミルクティー色の髪を掻きながら酷く気怠さそうに言い捨てるこの男。
…さっきはあんなに爽やかな空気振り撒いてたのにね。



「…藍」
「ん?」
「明日も朝早いし、夜も遅なるから夕飯いらん」
「そ、おやすみ、蔵」
「おん」





あ、そうだ、白石蔵ノ介て知ってる?
わたしの、同棲してる相手なんですけどね。
この人、芸能人なんですよ。







20120908



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