今日も朝が来た。
昨日の土砂降りからは考えられないような鳥肌が立つくらい青い空を部屋の窓から横目で見る。

…何だか変な夢だったなあ、
思い出せないけれど。




「おはよ」
「あら、今日は早かったわね、朝ごはんもうできてるから自分でお箸出して食べてなさい」
「うん」



寝巻のままリビングに下りてトーストをかじる。
ニュースを見ると見たことも無いような地名がでてきていた。



「へえ、神奈川にそんな地名あんだね、しかもここら辺」
「何言ってんのあんた、自分の住んでる地名も知らなかったの?」
「…は?」
「だから、これ、ここだってば」



「いやいや違うでしょここはそんな名前じゃなかったでしょう」
「いつも馬鹿だ馬鹿だとは思っていたけどそこまで馬鹿だったのね…ちょっと今通ってる学校の名前言ってごらんなさい」
「え、一中でしょ、そこの、一番近い」
「あんた立海大付属でしょうが!!」
「んなばかな!」



トーストを落としたのも気づかずにただ叫ぶ。
なんかすごい聞いたことある名前何ですけど…
もしやと思い、全速力で階段を駆け上がって自分の部屋のクローゼットを開ける。



「一中の制服じゃない…」



40.5巻で見た奴だ…
反射的に後ろを振り返って本棚を見ると、全巻揃えられてあったテニスの王子様が綺麗さっぱりなくなっていた。
なんだよサッカーの王子様って。

何が起こっているのか、日付はわたしの知っている日付だし、窓から見える景色も何の変わりも無い。


四苦八苦しながら立海の制服に着替え、いってきますの声もかけずに元の学校の時間割通りに入ったスクバを持って家を出る。
一中のところにいってみれば何とかなるんじゃないの…!?





「…立海がある…」



夢なら早く覚めて








恐る恐る足を踏み入れて敷地内を調べることにした。
もしかしたら、全然思い込みなだけかもしれないし。
きょろきょろ周りを見渡しながらゆっくり歩いていると前からやたら髪の色がカラフルな三人が歩いてきた。



「…仁王と、丸井と、赤也だ…」





20120710



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