〜Fの証言〜
ああ、手塚と彼女のこと?
よくは知らないんだけどね、僕も。
いや、いつかはカメラに納めたいと思っているよ、ふふ。
うーん、彼女の方とは去年同じクラスだったんだけどね、なんていうか手塚一筋だったよ。
こんなんでいいかい?



〜Kの証言〜
ほいほーい!
手塚と彼女〜!?
あ、俺ね、一回だけ喧嘩してるの見たことがあんだよね!
それがさー、もう喧嘩してるのに惚気っていうか。
あー俺も可愛い彼女欲しいにゃ〜



〜Mの証言〜
手塚部長の彼女さんっすかぁ?
俺一回喧嘩してるとこ見て…あ、英二先輩から聞いてるっすか?
内容は聞いてないんすね、それがですよ、彼女さんのほうをいつも待たせているのは心苦しい、みたいな感じだったんすけどね、彼女さんが「国光くん見てるから全然暇じゃないもん!あっちが、宿題やってるのは嘘じゃないんだけど…」っていったら「俺もなまえが見ていてくれるのなら集中して取り組むことができる。しかし、こんなに遅くなるというのは…その、悪いだろう」って答えたんすよ、もうその後からすごい熱くなっていって…これ以上は言えねぇっす!



〜Kの証言〜
フシュー…部長は尊敬できるっす



〜Oの証言〜
ああ、君か、レギュラーに聞き回っているのは。
俺でよければ答えるよ。
んー、あの二人は凄い波長が合うっていうのかな、自然と付き合っていたんだよな。
俺から見ても理想的な二人だと思うよ。
…え!?俺のこと?
はは、こりゃタイヘン、参ったなあ。











「なまえ」
「国光くん、お疲れ様」
「ああ。待たせてすまない」
「ううん、帰ろっか」
「そうだな」



「…あの、ね、」
「なんだ?」
「手、繋いでもいいかな?」
「構わないが」
「へへ、ありがとう」
「…なまえの手は、」
「ん?」
「小さくて柔らかいな」



「今日、レギュラーに俺達の事を聞き回っていた者がいるらしい」
「何を聞きたかったんだろうね」
「さあな」
「普通だもんね」
「レギュラーもそう言っていた」
「やっぱり」



「じゃあ、今日も送ってくれてありがとう」
「気にするな、俺がやりたくてやっている」
「でもありがとう。国光くんも気をつけて帰ってね?」
「ああ」
「油断せずに、だよ?」
「…ああ、わかっている。また明日」
「あ!待って!」
「?」
「国光くん、だいすき(ちゅう)」
「…!…俺もだ」





20120628


- ナノ -