「うわー帰れま10やってるー」
「ほんまや」
「これはあかんなー」
「白石これあんま好きじゃないよね、なんで?」
「一日でこんなに食って体に良いわけないやろ、最近は面白さばっかり求めてそういうとこ考えてないねんな」
「…嫌う理由が白石ぽいよね」
「せやな」



どこで人生が狂いはじめたのか白石と暮らし始めたわたし。
今日は謙也が遊びに来ているが。
もう中学を卒業して5年経つのに未だに仲の良いこの二人は週に一度といっても過言じゃないくらい会っている。
何ともまめな奴らだ。



「そういえば、」
「ん?」
「白石とお前って付き合ってどんくらい経つん?」



四天宝寺の時はそういう話全くなかったからなあ、他の奴らも聞きたがってんで、とさきいか片手に問い掛けてきた。
…え、なにそれ。



「…んー、どんくらいやろなあ?高校入ってすぐくらいからやんな?4年とちょっと位やろか」
「え?」
「ん?違ったか?」
「え、え、ちょっと待って、」



「私たち付き合ってんの?」



第……2位ーー!とテンションの高い声が部屋に響く。
画面の向こうは盛り上がってるのにこっちは誰ひとり動かない。
あ、わたし今空気読めない発言した。



「…は、え?…え?ちょ、まじで?」
「…し、白石、え、おまえ何なん?」



さきいかを持ったまま、え?と連発し続けている二人を見ていると、ああ、わたし白石と付き合ってたんだなと思った。
…ん?
いや、でも高二の夏休み前に白石が学年のマドンナ的存在と噂になったとき、否定してなかったけど。
噂になってるね、って言ったらせやなあ、って答えてきたから嫌?って聞いたら嫌やないで、って何故か頭撫でられた気がする。
あれは何なんだ。



「あの高校の時付き合ってた子はいつ別れたの?」
「はあ!?お前中二から苗字一筋言うとったやんけ!ちがったんか!?」
「え!?なんなんそれ!俺知らんけど!お前としか付き合ってるつもりあらへんねんけど!」



いや、でも付き合うてないやんな、俺達。どこから違ってたんー…?
ビール缶を握り締めて机に突っ伏す白石。
誰や誰やどこの女や!と白石の肩を掴んで揺らしている謙也。



「学年のマドンナ(?)と付き合ってたんじゃないの?」



わたし白石にも確認したよね、と呟くとバッと顔をあげた。
うおぅ、びっくりするなあ。



「…いつ?」
「高二のー夏休み前ー?二人で帰ってた時。噂になってるねー、って」
「…アイス買った日か?」
「うん、あ、そういえば中学の時も最後の方かな、誰かと噂になってたよねー一緒に帰ってる、とかいって」

「その子の名前は知らないんだけどね、白石と同じ高校行ったらしいからー…でも四天宝寺人多いから絞れないや、誰だろう」



「…(ちら)」←白石の方を見る
「…(ちら)」←謙也の方を見る




「…全部お前や、お前!!」





20120717


…つまり、噂は全部なまえさんとだったわけですね。
告白はクレープ食べてる時に好きだって言われてあ、クレープ?わたしもすきー、みたいな感じだったと思われ。





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