コナンで言うと白馬くんが今来てますね何故かわかりませんけど。
キッドキッド言ってたはずが何故か今になって白馬くん。



複雑な家庭環境のヒロインとそれを支える白馬くんっていうのが良いです。

ヒロインのお父さんは権力の強い良い家柄の一人息子だったけど、親に決められた婚約者ではなく一般の家庭の女性と結婚。
大恋愛の末の結末で、最終的にはヒロインのお爺さんも認めてのハッピーエンドだった。
でも、お母さんはヒロインが六、七歳くらいのときに病気で亡くなってしまう。
悲しみに明け暮れる毎日でお父さんはとにかくヒロインを妻の分までしっかり育てなければ、と誓う。

葬式が済んですぐ後。
お爺さんはヒロインとお父さんに衝撃的な事を言う。

元婚約者と今すぐに結婚してもらう

断りきれずに再婚すると、新しいお母さんにはヒロインより二つ年上の娘がいた。
元婚約者は優しくてかっこよかったヒロインのお父さんと結婚できると思っていたのにいきなり出て来た一般の女に取られて他の人と関係を持ってその娘と二人で暮らしていたけれど、ヒロインのお母さんが亡くなったと知って親の権力を使って結婚まで漕ぎ着けた。

今まで三人で幸せに住んでいた家を壊されて、新しい家を建てさせられ、正直好きでもない女の人とずっと一緒にいなければならない苦痛に耐えかねてヒロインのお父さんは出張しがちになってしまう。

ヒロインは学校もあるのでお父さんに着いていくわけにもいかず、居心地が悪いなあと思いながらも新しいお母さんとその娘と仲良くなろうとするけど上手くいかない。
向こうにその気がないから。



「あの、おかあさん…」
「あら、いたの?それにわたしはあなたのお母さんじゃないのよ」

「ねえ、一緒に遊びましょう?」
「え?どうして?なんで嫌いな子と一緒に遊ばなきゃいけないの?」



忌々しい女の子娘と、自分が産んだ娘。
どちらが可愛いかなんて聞かなくてもわかるでしょ?
これは当然よ。
ご飯のメニューも違くするように命じられ、私立の小学校に通っていたのに公立の小学校に転入させられる。
洋服もお下がり以外は買ってもらった事はない。
姉もお母さんがヒロインを嫌ってるからわたしも嫌い、とかそんな感じで後は嫉妬とかで虐めちゃう。

お父さんが家にいる時だけは仲の良い家族なのに。
わたしはどうしてこんな扱いを受けなきゃいけないの?
シンデレラだったらまだ良かったわ。
鳥とかネズミとかたくさん友達がいて。
最後には王子様と一緒にきらきら輝くような生活を送るの。


わたしは?


お友だちはいるわ。
学校に行けば皆優しくしてくれる。
本当の友達がいるのかはわからないけれど。
現実にシンデレラみたいなお話はあり得ないわ。
諦めるしかないの。



お母さんが読んでくれたシンデレラの絵本を大事に持ってそれを支えに生きる毎日。
一応勉強やマナーなど学ぶことはしっかり学んでいる。
周りには「長女にはしっかりしてもらわなきゃいけないから厳しくしているの。次女はあんなに楽して生活しているのに…長女がかわいそうだわ」とか言われる。
ちなみに長女はこれを鵜呑みにしている。




10歳のある日。
イギリスに出張中の父親が招待されたパーティに家族で出席することに。
姉より格段に劣るドレスで参加する。

皆きらきらしてる。
ここにはお姫様がいっぱいいるんだ。
わたしなんかが、来ちゃいけない所なのかもしれない。



「じゃあ俺は少し呼ばれているから行ってくるよ」
「はい、いってらっしゃい」



お父さんは呼ばれてるみたいでわたしの頭を撫でてからどっかに行っちゃった。
わたしも連れてって欲しかったのに。



「いい?なまえ。わたしたちは回ってくるからあなたは隅で待っていなさい」
「…はい」
「声が聞こえないわ。返事もまともにできないのね、行きましょう?」
「うんお母さま!」
「あなたは良い子ね、さすがわたしの子だわ」



にこにこと笑って何処かに行ってしまったお母さまとお姉さま。
あの二人にはわたしは邪魔だから。
言われたとおり隅で待ってよう。
水色のワンピースの裾をぎゅっと握って周りをぼうっと眺めながら壁際で時間が経っていくのを感じる。
ざわざわしている。
わたしだけ違う場所にいるみたい。




「泣いているのかい?」
「…あなただあれ?」
「僕は探、白馬探っていうんだ」
「…さぐるくん?」
「そう、探。君は?」
「なまえっていうの」
「そっか、なまえか」




白馬。
わたしでも聞いたことがある名前。
多分お父さんがわたしにお話してくれた、とても有能で素敵な上司さんの名前。
わたしと同年代の息子さんがいるって言ってた気がする。



「で、君は泣いているけど悲しいのかい?」
「…泣いてなんかないよ?」
「見た目はね。でもなんでかな、僕には泣いてるように見えているんだ」



どうしたんだい?迷子かな、とたいして背も変わらないのに慰めるように頭を撫でてくる探くん。
何故かわからないけどお父さんにも言ったこと無いことを全部全部話してしまえた。
泣いちゃいそうになって、言葉が詰まるたびに笑って次を促してくれる探くんは、探くんのお父さんが探くんを迎えにくるまでずっといっしょにいてくれて、別れ際に言ってくれたんだ。




「僕が君の王子様になるよ」




だから一人で泣かないでね、って。



そこから会うことは無かったり。
でも高校はいって同じクラスとかで。
しばらく会ってなかったから何を話していいかわからないけど、初恋が今恋でしかもヒロインな白馬くんは再会の嬉しさに思わず話しかけるんだけど、ヒロインはすっかり自分の価値を見失っていた的な。
白馬くんのことは覚えてて大切な記憶なんだけどイギリスでの活躍を知ってるから白馬くんのことはいつからかきらきらした場所にいる人で、わたしとは違う場所にいる人、って思い込むようにしていた。
ヒロインの、たった一人の王子様じゃなくて、皆の憧れの王子様なんだと言い聞かせて。

その後も家族から受ける不憫な扱いやその他諸々のせいで周りの人に壁を作るようになっていたヒロインに敬語を使われてそれを白馬くんがゆっくり暖めて溶かしていくっていう。
最後の方は(溶けて来た頃)はもうべたべたあまあまですよこれはもう。

姉が白馬くん狙い始めたりね。
離婚騒動とかね。
日本で事件解決とかね。
ヒロイン誘拐事件とかね。







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