魔物の子の名前はユーリで書きたいところだけ書くことにします







「清麿くんの次は君だ」
「…」



挑発するかのように高嶺の名前を出すふざけたかっこうのおじさん。
油断はできない、と魔本を持つ手に力を込めた。



「さあ、始めようか」
「ユーリ」
「うん、わかってるわなまえ」




ユーリがわたしの肩に乗る。
自信なんて持ってない。
スタミナが足りないから相手の力量も知らないうちに呪文を唱えるわけにも行かない。




「攻撃して来ないのか?では私から行くぞ!ゼルセン!!」
「…っ」



小さい体だから余り攻撃力はないと思っていたのに。
速いし、重い…!

でもこの程度なら避けられる



「ユーリ!手を前に!!」
「はい!」

「ザケルガ!!」



がく、と力が抜けるのを感じる。
ザケルガもすんなりと避けられるが、その隙にユーリはキッドに近づいている



「うわーーー!博士!近づいてきてるよ!!」
「ハハハ、速い、思ったより速い!だが慌てるなキッド!!コブルク!!!」



がしゃん


「オイッチニ」
「オイッチニ」



「…え」
「なまえ!」



どうするの、とユーリが後ろを振り返る。
え、かわいい
ユーリがいっぱい出てくるってこと?
え、待って



「ユーリ!やろう!」
「は!?ねえなまえ、え、本当に!?」
「コブルク!」



すう、




キッドのように小さいキッドではなく、ユーリと同じ大きさのユーリが増えた。
…やばいかわいい
しかしその可愛さとは裏腹に小キッドを次々に遠くに投げ飛ばし始め、さらには皆でキッドを囲み、所謂フルボッコを始めた。



「ウエーーーーン!!!!」

「…」←ユーリ
「…」←博士
「…」←なまえ



ま、まあ綺麗なバラにはトゲがあるっていうし。
その一例…?






「(教えることも、出すナゾナゾもあったのだが…それよりもまずキッドのメンタルケアが先じゃの)」





その後、博士達は帰って行き、その場には私たちと小ユーリが残っていた。
小ユーリは私を見るなり駆け寄ってきていつものようにじゃれ始めた。
…うん、かわいい。

でも相手がかわいそうな気もするし、あまり使えないかもしれない。



とりあえず今はこの子達と遊ぼうと思ったら高嶺が来て、大丈夫かと心配された。
先日博士と戦ったらしく、激戦になっただろう、と言われたがわたしは怪我もしていない上にどちらかというとキッドを心配した方がいい、と説明すると納得がいかないような顔で髪をぐしゃぐしゃされた。





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