とかいって別にいぬぼくの方達が出て来るわけではないんですけどね。
ただ、生前百鬼夜行に巻き込まれ、人に危害を加えそうになったから処分された猫又の先祖返りの女の子って設定が欲しかったんです。
例え自分の意思ではなくても、やったことは消えない。
ヒロインは地獄に落ちてしまいました。
そこは楽しい地獄だったのです。
「あなたは…珍しいですね、先祖返りですか」
「…はい」
「しかも大層なことをしてますねえ」
「…はい」
「地獄に来るわけです」
「ちょっと、鬼灯くん…」
例え鬼灯様が超絶ドSでも、いつもなら即決で地獄へ送り出すところでも、今回ばかりは憚られる。
現世でやったことは確かに悪い。
許されてはいけないことだ。
でも、この少女は巻き込まれただけらしく、現に報告書にも決まりであるから仕方なく地獄に送っては見たものの、真っ当に生きれて死ねば、こんなところに送り込まれなかったはずなのだ。
そして自分が斬られた後にした事を事細かに教えられた少女は罪悪感で今にも潰れそうになっている。
「…適当なところが見つかりませんね」
「そうだよねえ…でもここに送られちゃったからにはどうすることも…」
「ど、どんなに辛いことでも文句など言いません!それだけの、それだけ悪いことをしましたから!」
健気にそう叫ぶ少女は、覚悟は決めていたが、それでも怖いのが手に取るように分かった。
「しっぽが絡みついてますねえ」
しっぽが腰に一巻き、ひっついているから。
猫が恐怖心を抱いている時、足の間にしっぽを挟んだり、体にひっつけるというが、これはその一種か。
どんな処刑をされるのか、どれだけ苦しいのか、不安なことは沢山あるのに全ては自分のせいだと受け止めようとしているけど正直なしっぽと耳。
ここには、地獄には似合わないヒロインにますますどこに送るか迷ってしまう鬼灯様。
黙って考えながらヒロインを見ているとびくびくと時々震える猫耳。
同情していたはずが、加虐心もくすぐられる。
「…あ、就職させましょう」
地獄から出してはあげられないけれど、就職させれば苦しみを味わうこともない。
じゃあ最近忙しすぎるし、仕事を手伝わせてしまおう、という考えに。
そんなこんなで地獄で鬼灯様と一緒に働くヒロイン。
地獄は一癖も二癖もある人ばかり、というかあそこは人を苦しめる所ですからね。
人を傷つけたことに罪悪感を持ち続けているヒロインはまず現場では働けないので書類整理専門。
あとは掃除などの雑用。
そして鬼灯様の癒し。
猫にもなれるのでね。
もふもふされてればいいです。
でも、先祖返りは常に生まれ変わり続ける。
もちろんヒロインも例外ではない。
また、繰り返さなければいけない。
その時鬼灯様は手離すのでしょうか。
電車で思いつきで書き始めたのでここで終わりです。
鬼灯の漫画も読んでないのでキャラが変かもしれないですし…。
ただ鬼灯様がかっこよすぎて困っています。