原作知識のある女の子が交通事故で死んで生まれ変わった先がいぬぼくの世界。

自分が転成したっていう自覚はある。
名前も容姿も性格も全部前世のまま。
ただ一つ違うのが転成を自覚した瞬間にいつも自分の手にある一つのボタンだけ。



一度目の転成では、転成を自覚した瞬間に押してみてまた始めからやり直しに。





二度目の転成でやっといぬぼくの世界だって気付いた。



「凛々蝶さま、」
「ついてくるな!」

「そーたーん!」
「俺はワルだ!」

「お腹すいた…」
「メニアック!」



あれ、何か違う
どこが?
なにが?

考えていると野ばらさんがわたしを心配してくれた


「…あ、」



反ノ塚は?




ぽち、

押してしまったリセットボタン。


三度目の転成
転成っていうのかな。
四度目の人生、三度目のこの世界。


そこには凛々蝶がいなかった。



ああ、まただ

ぽち、



四度目の転成

夏目さんが原作よりも早くに死んじゃった



また違う


ぽち、



五度目の転成

渡狸とカルタちゃんが全くの他人



だめ

ぽち、



六度目の転成

妖館に誰もいない
みいんなばらばらになっちゃった




ぐ、

ボタンを押そうとした指が止まる




「…そうだ」





なにがちがうの?
なにがだめなの?

なにが壊しているの?


いつもあったじゃない
原作と違うところ

何で気づかなかったの?



何回も繰り返して物語が思い通りに進まないと始めからにして

原因がなくなってないんならそんなの意味無いじゃん



わたし一人しかいない真っ暗な部屋から飛び出る。



みっけちゃった、
世界が壊れる原因




始発の時間まではまだある
駅の改札を走り抜けてホームに飛び込んだ





わたしのいない世界こそ



きっときっと

答えでしょ?






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