(4/10)page君にいえなかったことがある
昔から、こんな容姿、性格のせいで、俺には友達がいなかった。
みんなが俺を怖がり、近付かなかったが、コイツだけは違った。
『シロちゃん!』
―――雛森 桃。
コイツは俺を怖がらずに、普通に接し、笑顔を向けてくれた。
『なんだよ、寝ションベン桃』
素直でなく、可愛げが無い俺とは対照的に、桃は素直で、誰にも優しかった。
からかうとムッとするが、次の瞬間には笑顔に変わっていた。
(この笑顔を守りたい)(誰よりも近くで)
いつしか、そんなことを思うようになっていた。
「日番谷くん、どうしたの?ボーっとして」
ハッとして前をみると、さっきまで考えていた人の姿が。
「…桃、」
久しぶりにその名を呼ぶと、桃を一瞬驚いて、ニッコリ笑った。
「なぁに、シロちゃん?」
幼い頃は、恥ずかしくて言えなかったあの言葉。
今なら、言えるだろうか?
“ ”
(本人には、『何かあったの?』と、笑われてしまったけれど。)
君に言えなかったことがある
ありがとう / 君にお礼を言いたかったこと
END
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