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不機嫌になる私







「いいなぁ」


「?なにが?」


「…私、男の子に生まれてきたかったな」


「何だよ、急に…?」


「だって…男の子だったら、弥彦君や由太郎君と一緒に戦えるもの
もっと強い男の子に生まれたかったわ」


「・・・・」


「私みたいな泣き虫だったら、足手まといになるだけだし…」

「んなことねぇよ
強い男ならいいってもんじゃねーし」


「弥彦君…」


「お前だから…っていうかお前にしかできないことだってあると思うぜ?」


「私に…しかできない…こと…?」


「ああ
少なくとも俺はお前が女で良かったって思ってるし」


「…!弥彦君…!」


「やっと笑ったな
じゃあ、行ってくる!」


「うん!」



不機嫌になる私




(わたしじゃなきゃダメなこと、見つけて追いかけるから、その日まで待ってて)