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日常のヒトコマ


「あ、1時。」

時計を見た、十番隊副隊長、松本乱菊は突然立ち上がった。

「私、ちょっと休憩行ってきまーす」

「待て、松本!」

「隊長もたまには息抜きしてくださいね〜」

乱菊は意味ありげにウインクし、出ていってしまった。

(また俺の仕事が…)

ため息をついた時、ある霊圧が感じられ、日番谷は顔を上げた。



「日番谷くん!」

「…日番谷隊長、だ。…なんで雛森が…」

「あのね、今日非番だったんだけど、暇で…
…乱菊さんに日番谷くんが疲れてるって聞いて
手伝いにきたの!」

「松本のヤロー…」



怒りで震える日番谷を『まぁまぁ』と制しながら、雛森は笑顔で言った

「早く終わらせちゃおう!あとちょっとだよ」





「ふぅー…!終わった終わった!」

「雛森」

「ん?」

「…ありがとな」

ボソボソと日番谷は言った。が、雛森にはしっかり聞こえていたようだ。

「えへへー…」

とニコニコ嬉しそうに笑った。


「ねぇシロちゃん」

「日番谷隊長だ」

「膝枕してあげようか!」



「…はぁ?」

…何を言い出すんだ、コイツは。

「ね、ほら、こっちおいで?」

「いやだ」

「えー…いいじゃない、たまには、誰もいないし」

「・・・」

むー…と日番谷を見る雛森。

「…じゃあ…少しだけ…」

そういうと、ぱぁぁぁあっと
雛森は顔を輝かせた。





「昔もよくこうしてあげたよねー…」

「無理やりさせてたんだろ、今みたいに」

「なによう、すぐ寝てたくせに〜…」

「…うるせえ」

クスクスと笑う雛森。日番谷は顔をうっすら赤く染め、仏頂面でいた。

「ねぇ、子守唄歌ってあげる!」

「いらねえよ」

「いいから、いいから!」

すぅっと息を吸って、歌い出した雛森。その柔らかい歌声は、昔となにも変わらない。
懐かしさを感じながら、日番谷は意識が遠のくのを感じた。






その1時間後執務室の前で、中に入ろうか否か悩む者が一人二人と増え、物音で人に気づいた日番谷が真っ赤になったそうな。


END