あいつは俺と正反対だと思ってた。
明るくて、
いつもニコニコ笑ってて、
でも頑張り屋で、
優しいから友達も多くて…
いつもあいつの周りには、のぞみ達がいるから、何でもあいつらには話してると思ってた。
『俺なんかいなくても』って思ってた。
だけど、違った。
あいつは1人、だった。そして、泣いていた。
慰めてやらないのぞみ達にも、元気なふりをしてヘラヘラするあいつ…うららにも、無償に腹がたった。
そして、そんなうららをなぜだか気にする自分がいた。
『見られちゃいました?』
笑うあいつに、気が付いたら、怒鳴っていた。
怒鳴ってから、後悔した。
(慰めにきたのに怒鳴ってどうすんだよ…)
そんな俺にも、あいつは怒らず、自分の母親の話をしてくれた。
それが、嬉しかった。
『今は1人じゃない。
俺も、コイツも。』
そう思った。
『ちょっとだけ似てるね。』
あのときのあいつの言葉を思い出して、俺はフッと笑った。
(確かにな。)
仕事をしているところ
弱さを見せないところ
仲間を大事にする気持ち
夢を追っているところ
「シロップ!ここにいたんですね!」
ツインテールのあいつがトコトコとかけてきた。
「みんな心配してましたよ?帰りましょう?」
「あぁ。
……うらら!」
『はい?』
そういってあいつは聞き返した。
いつもの笑顔で。
「俺達…似てる、かもな。」
「…はい!似た者同士ですね!」
真っ赤な夕焼けが、2人の笑顔を照らしていた。
END
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