(5/75)page
幸せのおみくじ


海斗さんより イラスト&小説交換企画



〜幸せのおみくじ〜

「よっ清水!」

「本田〜元気してた!?」

「当たり前だろ?なぁ達哉!」

「まぁ……。」

「……久しぶりだね、一ノ瀬くん♪」

「井上さんも元気そうじゃん。」

吾郎、達哉は海堂へ…薫、美咲は聖秀へそれぞれ進学。そんな彼らが迎える初めての正月…初詣に来ていた。

「いっくん、本田!おみくじでも引こうよ!」

「あぁ?おみくじ?」

「賛成♪引いてみようよ一ノ瀬くん♪」

「…付き合ってやろうよ、ゴローちゃん。」

「…チェッ、達哉が言うならしゃーねーな。」

まず4人が向かったのは薫の提案でおみくじを引くことになった。

「「おみくじくださーい!」」

薫から吾郎へ、美咲から達哉へそれぞれおみくじが手渡され……

「じゃあ…一斉に開けようよ!」

「うん!」

「「………。」」

あまり乗り気のない吾郎と達哉だったが、このおみくじを開くことによって……

「……ん!?」

「わっ、私中吉だよ♪」

さきに結果を口にしたのは美咲だった。

「私は……吉かぁ。」

続いて薫が……。

「ほら、一ノ瀬くんも見せて♪」

「本田も!」

「あ、うん…。」

「わーってるようっせーな!」

薫と美咲に進められ、吾郎と達哉もおみくじをゆっくりと開いた……

「………。」

「………ゲッ!!」

「何だよ本田〜?」

声を上げた吾郎に薫が覗くようにおみくじを見ると……

「本田『凶』だって!?おいおい…新年早々幸先悪いなお前。」

「う、うっせ〜!俺はこんな紙切れのことなんて信じねぇ!自分のことは自分で切り開いていくんだ!!」

そう言いながらおみくじを丸めた吾郎。

「アハハ…あ、一ノ瀬くんはどうたった?」

「………。」

「いっくん?」

「……フッ。」

達哉は薄ら笑みを浮かべ、ゆっくりとおみくじを3人に見せた。

「わぁ!いっくんは『大吉』だって!!」

「すご〜い!さすが一ノ瀬くん♪」

「うぅ……。」

「あれ〜おみくじなんか信じないんじゃなかったっけ本田くん〜?」

ジト目でからかう薫…そんな光景を見て達哉が口を開いた。

「俺もゴローちゃんと同じだから。」

「「え?」」

意外なことを口にした達哉。

「これはこれでご利益はあるかもしれないけど、所詮自分のことは自分で決めること。それだけのことさ。」

「へっ!だろ〜?達哉も俺と同じなんだぜ清水!」

「まぁ、ゴローちゃんと違って幸先は良いってことは事実だけど。」

「ぐっ…。」

「アハハ、一ノ瀬くんらしいね♪」

「うん♪ではでは……。」

薫は吾郎と達哉に近づき……

「今年もよろしくね本田、いっくん!」

「…へっ、おうよ!」

「一ノ瀬くん、あけましておめでとう♪」

「……あぁ、今年もよろしく。」

吾郎、薫、達哉、美咲の手に握られたおみくじはしっかりと木の枝に結ばれ……一年の始まりを、無事に過ごせるように……
『あばよ!』
後の……彼らの運命を大きく変えるになる一年になるとも知らず……

end♪




海斗さん、素敵な小説をありがとうございました!
野球やってる時は大人びている吾郎と達哉。でも、薫ちゃんや美咲ちゃんといる時にはこうして、学生らしくなるんですよね。むしろ吾郎は子供っぽい(笑)
そういうところが表現されているのがすごいなぁと思いました。