▼伊月誕 高月
10/23 14:32(0

布団を敷いて電気を消し、寝転がって眼を閉じる。仰向けになってゆっくり息をするたびに、1日の疲れが背中や項から布団へ抜けていくような感覚がする。
ジワジワと意識が暗くなっていって、眠りにつく寸前。
目覚まし時計の代わりに枕元にいつも置いてある携帯電話がピリリと着信を告げた。
静かな部屋でやけに大きく響くそれに驚いて、慌てて携帯電話を掴む。背面のディスプレイには、口によく馴染んだ名前があった。それを見た途端力が抜けて、慌ててしまった自分に少し笑った。


『あ、もしもし伊月さんすか』
「うん。こんばんは」
『寝てました?』
「あー、いや。寝るとこだった」
『俺もなんですけど、今日少しでも声聞いておこうと思って』
「え、どうしたの」
『まあいつも理由とかナシで会いたいって思ってますけど今日は特に。お誕生日おめでとうございます』
「あ、知ってたっけ」
『メアドで』
「ナルホド」
『ケーキとか食べましたかー』
「うん。盛大に祝ってもらったよ」
『いーなー、俺も混ざりたかった』
「ダジャレ大会だけど、高尾勝てる?」
『いやちょっとそれは辞退しておきます』
「ダジャレは常に考えてないと浮かばないもんなー、仕方ないか」
『そういう問題じゃないっす』


「あ、そうだ」
『なんすか?』
「電話ありがとな」
『ほんとは会いに行けたらいいんですけど』
「いいって、好きなときにこれるんだから」
『まあ、そうっすねー。ていうか誕生日だからって言っても、ただ電話するための口実みたいなもんだったし』
「えーひどいなー」
『え、ひどいって………あの、じゃあ、これ秘密にしておくつもりだったんですけど誕生日マンに免じて正直に白状します』
「誕生日マンて」
『伊月さん』
「あ、はい、ドウゾ」
『電話するとき一番緊張するから話題用意しておいてるんですよ、ぶっちゃけ、っつかうわああ恥ずかしっ!ちょっと今のなかったことにして!ください!』
「それは無理だな。いいもんもらったぜー」
『あー、なんかやばい、はずい!おやすみなさい!』
「こら!切ったら怒る!」
『すみません』
「あのさ、あのー、うん。やっぱりいいや」
『え』
「や、ちょっとなんか、高尾のがうつったかも、はずい。じゃあおやすみ」
『いやいやいや!』
「また明日かけてよ、待ってるから」

『え!?はいっ!えっ!』
「うん、じゃあ」
『あ、はい……?』











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一万打企画アンケートで1番だった高月にいちゃついてもらいました変な終わり方でごめんなさい

伊月おめでとう!!

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