7 冷めた
チュン…チュンチュン…
外からは小鳥が私を起こしてくれるかのように鳴いている
…ああ、もう朝か…もう少し寝ていたかった。
まだ眠く、二度寝してしまいそうだ。
二度寝してしまわないうちに自分の身体を無理やり起こして取り敢えずベットから離れる。
ベットの近くにいては誘惑に負けて寝てしまうからだ。
そういえば昨日は日向たちと別れてそのあと狛枝たちと話ながら返ったんだったな確か…天海は狛枝のうちに泊まっているはず。
私は1回欠伸をして着替えた。
その後、顔を洗って髪の毛を整えてご飯を食べて歯を磨いて荷物を持って家から出た。
ちゃんと家も鍵を閉めていつも道理の通学路を歩いた
「おっはよーミョウジちゃん!」
「うわっ!」
いきなり横から王馬が出てきた
いきなり出てきたため、驚いてしまった
「うっわー今日もブッサイクな顔だねー」
「それはどーも」
「嘘だよ!」
王馬は嘘つきだ。
そして今日も王馬は嘘をつく
嘘とか本当とかごちゃごちゃしていて話していると正直疲れてしまう。
とりあえず私は王馬を無視していつも道理の通学路を歩いた
「もー置いてかないでよー本当にひっどいな、ミョウジちゃんは」
そう言いつつ王馬は私の後ろをついてくる
「まあそういう所も好きなんだけどね!」
どうせ嘘だろうし適当に流しておく
「はいはい」
「本当だよ!なーんて嘘だよ!」
本当に王馬と話してると疲れる…
まあ、それが王馬なんだけど
「今日は天海ちゃん達と登校するの?」
「うん、そうだけど…え?」
なんで王馬は今日私達が天海と登校するのを知っているのだろうか
「なんで知ってるの?」
「俺は総統だからねーミョウジちゃんの事はなんでも知ってるよ!ミョウジちゃんのスリーサイズとかー、好きな物とかー…にしし、嘘だよ!」
嘘に聞こえなくて怖い。
それに自分の家の場所を教えたことはないし。
とにかくこれからも王馬小吉は危険人物だと頭に置いておこう。
そう王馬と話しているといつの間にか天海と狛枝とも合流した。
「おはようございます、ミョウジさん、…と、王馬くん」
「おはようミョウジさん、王馬くん」
「おはよう天海、狛枝」
いつも道理の挨拶。
しかし今日は少し違う。王馬がいるから。
「おっはよー天海ちゃんと狛枝ちゃん、…天海ちゃんどうやら不機嫌みたいだけどどうしたのかな?」
「そんな事ないっすよー」
と、天海はニコニコとそう答える。
「ま、俺が天海ちゃんの事なんて知ったこっちゃないんだけどね…にしし、嘘だよ」
「嘘でもどっちでもいいんすけどね」
なんかピリピリしてるみたいだけど…この二人って結構仲が悪かったんだ…
まあ、喧嘩するほど仲がいいってよく言うしそのうち二人は仲良くなるだろう。
「希望と希望かぶつかり合う…!朝から僕はそれを目の前に見れるなんて本っ当にボクはツイてるなぁ!」
狛枝がそう言うと空気が一瞬にして冷えた。
「あれ?よく考えてみれば希望と希望がぶつかり合ったら粉々になっちゃうよね、ごめんね」
そういう事じゃないと思うけど。
と言いたかったのだがその言葉は飲み込んでおいた。
「あーあ、狛枝ちゃんのせいで空気が冷めちゃったよー」
「ごめんね」
「嘘だよ!」
絶対本当だと思うけど。
「七海と日向待たせちゃうから、そろそろ行こう。」
私がそう言った事を合図にし、私達は足を再び動かせた。
このあと無事に日向と七海と合流したのだが日向は王馬がいることに驚いていた。
七海はいつも道理に「ねみー」と立ちながら寝ていたのだが。
合流した後は皆で希望ヶ峰学園まで向かった。
希望ヶ峰学園につくとそれぞれのクラスに向かった。
ちなみに王馬は七海達と同じクラス。
1年の時は王馬と一緒のクラスだったんだっけ?
自分の教室に入ると私はまず自分の席に座ってぐたー、とした。
教室にはまだ誰もおらず、1番乗りみたいだ。
「なんか朝から疲れてるみたいっすね」
天海と狛枝は私のあとに続いて教室に入って来てきてそれぞれの席へと荷物を置いた。
ちなみに狛枝は一番後ろの席だ。
私たちは一番前で窓際。
「まあ、朝から王馬がいたからね」
「まあそうなるっすよね」
「…でもつまらなくはなかったかな」
そう私が言うと天海は少し間を開けてから「…そうっすね」と答えた。
「ボクは王馬と会えてツイてたと思ったけど?」
「狛枝は別でしょ…」
この超高校級マニアめ…
「…今日も授業サボろうかな…」
「ダメっすよ」
ボソッと言ったつもりだったのだが天海には聞こえてしまったらしい。
「だって私にはやらなくちゃいけない事があるし」
「とか言ってどうせダラダラ過ごすつもりっすね」
「うんそうだよ…って、なんでバレたの」
「そう俺が言えば素直に答えるからっすよ」
荷物を整理し終わったのか狛枝が私達に近づいてきた
「でもまあ、希望たちがダラダラするのも悪くないと思うよ」
「さっすが狛枝分かってるー…って言いたいところなんだけどいい加減私達のこと希望希望言うのやめない?」
「ダラダラするのは一理置いといて、ミョウジさんの言うことに同感っすよ、それに狛枝さんは自分を避難し過ぎっすよ」
「そうだよ」
私たちがそう言うと狛枝はため息をついて、口を開いた
「才能をもった君たちは希望同然なんだよ?こんなゴミクズが一緒にいていいって言うだけでも有難いっていうのに…」
「だからゴミクズじゃないってば、ゴミクズって言ったら私の方でしょ」
そう私が言い返すと狛枝が「は?何言ってるの?」と、言いたそうな顔をしてきた
「ミョウジさんもゴミクズじゃないっすよ、そしたら俺達もゴミクズじゃないっすか」
「そういう事じゃないんだってば…」
二人ともモテてるから私が女子生徒に避難されていることなんて言えない
言ってしまったらきっと二人は心配しちゃうから。
だから私はそこで喋る事をやめた
「…なんかあるみたいっすけど無理やり聞こうとする趣味はないんであえて聞かないでおくっすよ」
私が言いにくくしている事をどうやら天海は察してくれたみたいだ。