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だまして焦らして弄んで

by ginger さま
「小悪魔の誘惑」続編になります。


誕生日パーティーは終わった。
皆が帰った後、俺には片付けが残っていた。
わんちゃんが手伝ってくれるので、まったく苦ではない。
むしろ楽しい。

わんちゃんと一緒になって悪ふざけしていたイゾウは、今は和室でプレゼントを整理している。

その横には、悪ふざけの犠牲で有り得ない位ベロンベロンに酔っ払ったカナちゃんがちょこんと座っている。

ゆらゆら揺れて舟をこいでいるように見えるけれど、眠いわけではないらしい。
時々聞こえる鼻歌が楽しそうだ。


「食べ残しがない分、普段より片付けるの楽な気がする」
「だろ?」


皿を集めて、グラスを集めて、洗って拭いてしまう。
量にビビッてたわんちゃんも流れ作業に慣れてきたようで、口数が増えてきた。

次の誕生日パーティーは誰かという話をしていたら、「わっ」というイゾウの声の後に和室からものすごい音が聞こえた。

慌てて覗きに行けば、せっかく半分くらい片付いていたプレゼントが雪崩を起こしていた。
それよりも目が行くのがキスしてるイゾウとカナちゃんだった。


「…わんちゃんは見ちゃ駄目だな」


慌てて、一緒になって覗いてたわんちゃんの目と口を手で覆った。
ふぬふぬって文句言ってるっぽい声が聞こえる。

でも、俺っち見せたくねぇよ。
ただのキスならいいけど濃厚なやつだし、イゾウがされている側だしなぁ。

和室でそういうことすんなって言ってたイゾウが、カナちゃんに押し倒されている。
スカートなのに馬乗りになってるから、太ももまで見えてるし。

…あ、やべ。太ももは見なかったことにしよう。

俺もイゾウも乗っかられるのは、悪くないけど乗る方が好き。
俺もそうするだろうなって方法で簡単にくるっと立場逆転させて、イゾウは片手でカナちゃんを押さえつつ、空いた片手で何かを探していた。
目当てのものはすぐ近くにあったようで、何かをごそごそ取り出している。

あ、あれってカナちゃんのプレゼントじゃね?


「なぁ、カナ。悪い子はお仕置きするしかねぇなぁ。お仕置き、好きだろ?」


そんなことを言いながら、プレゼントのリボンを使って手首を縛り、ネクタイで目隠しをした。

黙ってされるがままのカナちゃん。
え、まさか普段からこんな感じなの?


「そのまま、おりこうさんにしてたらご褒美をやる。いい子で待ってな?」


さっきより頬が赤くなったカナちゃんが頷いた。

え?まじか?!まじでソウイウコトしちゃってんの?

俺があんぐり口をあけて驚いていたら、イゾウと目が合って口パクで『んなわけあるか!』って言っていた気がする。

【だまして焦らして弄んで】

もしくは『見てんじゃねぇ』か。

とりあえず、おっかないから和室は閉めておくことにした。

title by ポケットに拳銃

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