その他短篇 | ナノ
 READY STEADY GO(Thatch


…ちょっと状況を整理してみよう。



ここは俺の部屋だ(間違いない
久し振りにうちの隊の紅一点、カナと部屋で飲んでいた(間違いない
俺もカナも大して酔ってない(多分間違いない
俺は今カナにキスをされている(この感触は間違い様がない


俺は今カナとキスをしている。



どうしてこうなった??



前に宴の途中で酔った勢いでキスしたら思いっきり泣かれて、マルコの奴にそれはもうマジで死ぬんじゃねぇかって位に全力でボコられて(覇気まで込めやがって、間違いなく殺る気だったあれは)エースには白い目で見られてイゾウとハルタには暫くからかわれ続け…大変な目に遭ったってのに。

こいつ、いつの間にこんなにキスが上手くなったんだ?いつの間に覚えたんだ?ってゆーか誰だよ教えた奴、俺のカナだぞ。


あ?今「俺のカナ」って思ったよな俺?


ちらりとカナに目線をやると、長い睫毛が目に入った。こいつ、こんなに睫毛長かったんだっけかとマジマジと見てたら目線に気付いたらしいカナが薄らと目を開けた。
目が合っちまったじゃねーか。かっこわりーなおい。

ふふっと小さな笑い声と共にちゅっとリップ音を立ててゆっくり唇を離したカナは、そのまま俺の首に両腕を回して長い睫毛を瞬かせながらちょこんと首を傾げた。
仔犬みたいな可愛い仕草しやがって、マジでこんなん教えた奴誰だってんだよ。

「サッチ隊長」
「ん?」
「サッチ隊長とも在ろう男が、情けないな。頭のリーゼントは飾りですか?」
「は?」
「女はね、恋した相手の為ならいくらでも変われるんですよ?」

そう言ったカナの顔はしっかり女の顔で。
そこまで言われてされるがままじゃ、男サッチの名が廃るってんだ。
再び近づいてくる唇を、今度は自分から捕まえに行ってやった。

「ふぁ…ぁ…っ」

逃げるカナの舌を追いかけて攻め立ててやれば、カナから漏れるのは甘い声と熱い吐息。

「ん…ぁ、さち、たいちょ…っぅん」


あーやべーなこりゃ。

そんな声で俺の名前なんて呼ばれちまったら、もう止まんねぇや。まぁいっか、一度手を付けたらしっかり最後まで食べるのが料理人としての礼儀ってもんだ。

俺好みの味付けで美味しく頂いてやっから覚悟しな?カナ。


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