その他短篇 | ナノ
 めざめのうたげ(Thatch

相変わらず馬鹿みてぇな事ではしゃぐ4番隊の奴らに混ざって、カナは人一倍ケラケラと笑う。
酒も入って気持ち良くなって来れば、話題は決まって愛だの恋だの。
やっぱり話題の中心にはカナが居る。


「あたしなんて最近もうダメだよー。こう、胸の高鳴りとか?」
「ぎゃはは、なんだそれ。心の扉ってヤツかぁ?」
「そうそう!誰か開けてよって」


俺が眠いとかちょっと調子悪いとか。
そういう事には人一倍敏感なクセに変な所で鈍感なカナは、俺がどんな気持ちで聞いてるかなんてきっと気づいてねーんだろうな。


「はー!恋がしたいなー」


甲板にごろんと転がったカナは空に向かって大声で叫んだ。
大丈夫かよアイツ。

「あーサッチ隊長だー。どうしました?」

どうしましたじゃねーよ、ずっとここに居るっての。
様子を見ようと近寄ると、猫みてーにコロンとこっちを向いた。
あーくそ、やっぱ可愛いな。


「じゃあさ、カナ」

手を差し伸べながら、言う。
握り返してきたら、もうこっちのモンだ。



「俺と恋しようぜ?」




君のこと が 好き なんです

fin.

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