その時ポケットの中にしまっていたライブキャスターがぶるぶると震えた。…メール?誰から?メール画面を開いた私は絶句した。ちょ、のぼ、ノボリさんんんんんんん!!!えー…個人情報云々があるがノボリさんからのメールを晒したいと思う。 ------------------------- From:ノボリさん Subject:無題 わたくしがナマエ様を何度押し倒してしまいたいと思っているか…御存知ではないでしょう。 ですが、先程の言葉…つまりわたくしはもう我慢しなくて良いということですね? ------------------------- いやいや。いやいやいやいや。とと、とととりあえずこのメールは見なかったことにしよう。そうしよう。ソッとライブキャスターの画面を閉じた私は歩みを進めた。なんだかんだあったがゴールはもうすぐそこなんだからな!もう誰にも…会わない!会ったとしても無視してやるからな…覚悟しろ! だけどね、人生って上手くいかないんだわ。なんでこうも…おまけにあんた…!その扉の向こうが私のゴールなんだよ!!何故にあんたが…いるんだよぉおおおお!!!! 「インゴさん…」 「ナマエ様、どうかしましたカ?そんな絶望したようなお顔をされテ…」 あらやだ出ちゃってる?うっかり出ちゃってる?私の絶望っぷりが?いやもう…インゴさんで最後だからさっさと終わらせてしまおうじゃないか。嫌なことはさっさとね!もうナマエさん限界なのよね!脳内の小さい私が数人泡吹いてるんだよね!適当にザオリク唱えとくわ! 「えー…インゴさん…や…らないか?」 最後声が小さいとかそんなの言わんといて。私割と疲れてるの。主に双子のせいだけどな…!!!…いやまてよ…?エメットさんがこんな阿呆みたいな罰ゲーム考えたのが悪いんだから…つまり私はエメットさんをボコるしかないのか、成る程な!で、インゴさんいい加減何か喋って下さい!気まずい!気まずい!気まずい!!ガクブルする私を暫く見つめ、インゴさんがゆっくり口を開いた。 「鬼ごっこデスか?それともかくれんぼでしょうカ?」 そうだったー…この人ピュアだったわ。えげつないほどのピュアだったわ。少し首を傾ける金髪イケメンの口から鬼ごっことかくれんぼですよ。これが所謂ギャップ萌?だがしかし仮にインゴさんと鬼ごっこしても逃げ切れる自信ないよね!無表情で追いかけられそうだもんよ!まぁ…とりあえずクリアだよね! 「やっぱり…止めときますね。えっと…中に入って大丈夫ですか…?」 「あぁ…邪魔をしてしまいスミマセン。どうぞ」 「ありがとうございます」 紳士の如く扉を開けてくれたインゴさん。おまけにちょっと微笑みを浮かべている…珍しい。多分四人の中でインゴさんが一番ピュアなんだよ。なのにこの良い男っぷりですよ。みんな見習えばいいのに!会釈をして中に入れば…椅子に座ってニコニコ笑顔なエメットさん。…まて私の右手よ。まだだ。まだ射程距離に入っていないぞ。荒ぶる右手を抑えつつエメットさんの元へ。 「エメットさん…終わりましたよ」 「お疲れ様ー!みんな色んな反応してて楽しかったネ!」 「楽しいのはあんただけだろうが…」 しかしこれでやっと解放された。あぁ良かった。もうエメットさんと罰ゲームをかけて遊ばない。うん絶対だ。はぁ、と溜め息を吐く私を不思議そうにインゴさんが見ている。…最後のインゴさんのお陰で癒されたなんて、恥ずかしく言えないわ。はぁ…長くて意味の分からない罰ゲームがやっと終わった気が…って…。 「なんっすか…エメットさん。そんなニヤニヤして…」 「ナマエちゃん、ボクには?」 「……ん?」 「ボクには言ってくれないのカナ〜…?」 エメットさんのあざとい様に私の苛々、怒りのボルテージは限界まで達し…そして私の幻の左が解放されたのだった。気がついた時には床に突っ伏したエメットさんと目をパチパチさせるインゴさんが居た。いやでもさ、やっぱり悪いのはエメットさんだと思うんだよ。うん、だってあざといしあざといしあざといし?まぁ兎に角…どうもすみませんでした。 「ナマエ様…」 「…すみませんインゴさん…」 「エメットが何かしたのデショウ?ナマエ様が謝る必要はございまセン」 私を安心させようとしてくれているのかインゴさんは柔らかな笑みを浮かべる。いやあんた身内ボッコボコされてるのにそんな笑顔良いの?え、有り?有りなんだ…。そっか…。その後インゴさんと一緒に有意義なお昼休みを過ごす私だった。 その時間が楽しすぎたせいか数週間後、私はまたトランプをテーブルに叩きつけるのであった。 後書き ヒロさまリクエストの「ヤラナイカ?」でした〜。まずはこんなに長くなってしまったのと遅くなってしまい本当に申し訳ありませんでした…。長すぎて自分でもびっくりです…(白眼) 我が家のエメットさんの扱いの酷さが露わになったお話ではないかな〜と個人的に思います← あ、カズマサの話していたのは夢主に料理を教えてもらうという事でした。そこまで書ききれず…orz でも色んな人が書けて楽しかったです!とてもカオスなことになってますがそこは魔法の言葉…ご都合主義ー!!← それでは…ヒロさま、素敵な台詞、そして企画に参加して下さりありがとうございましたー! |