ちゃっす。今日も相変わらず暇やで。なにがって…仕事だよ仕事。平和なのは良いことだが、暇すぎてツラい。てなわけで只今休憩という名のサボリ中である。もうね、三時間くらい休憩してるわ。あ、皆は真似しちゃ駄目だぜ!やっぱな、責任ある大人にならないといけないよ!…私?私は…まぁ…良いじゃないか!はっはっは!

…休憩所に居すぎるせいか回りからの視線が痛い。ええやん!なんかあったら私身体張ってるんだぜ!?たまには…ええやん!…チッ。わかったよ…移動すりゃ良いんだろ!暇すぎて眠ってしまったチラーミィを小脇に抱え、休憩所を出た私は何処でサボるかと考える。え?最低?最高の誉め言葉やで。さて、誰にも邪魔されないようなところ……あったわ。

「双子のとこでサボらせてもらお。チラーミィもあのふかふかソファで寝たいよな?…おぅ…」

し、白目むいてる。お前、可愛いポケモン選手権があったとしたら即失格やで。可愛いポケモンという肩書きすら奪われるレベル。誰か、誰かモザイクかけてください!チラーミィの目を隠しながら早歩きする私も立派な不審者だったことでしょう。…回りには誰もいない。計画通り…!軽くノックする。中からどうぞ、と声がして私は勢い良く扉を開け、急いで閉める。…よし、誰にも見られずサボる事が出来るわ。

「てなわけでサボらせて下さい」

「ナマエ様、一体どういうわけでございますか」

ここで私の必殺技、かくかくしかじかの発動である。しかも綺麗な土下座というオプション付きだぜ。ふふふ…この合わせ技が効かないわけがないわ。さてさてノボリさんのお顔を拝見…ヒィィィ…!超目が冷たい…ぜ、絶対零度…だと。く、クダリさーん!…え、クダリさんがいないんだけど。ど、何処行きやがった!?私をフォローして下さい!

「クダリは仮眠中ですので、暫く戻ってきませんよ」

「な、なんだってー!?」

マイガッ!味方がいないではないか…。いや、私負けない。今日は徹底的にサボるんだって決めたんだからな!毎日毎日家政婦やったりSPやったりバトったり疲れてるんだよ!たまにはゴロゴロさせて下さい。まじで。これでもか!と腰を曲げる角度、手、足の位置を整え美しい土下座をする私は日本人の鑑だと自負させて頂こうか。

無言で土下座をしていたのだが、ふう、頭上で溜め息が聞こえ頭を上げれば苦笑を浮かべたノボリさんが腕組みして私を見下ろしていた。

「…仕方ありませんね。ナマエ様には日頃頑張って頂いておりますので、目を瞑りましょうか。どうぞくつろいで下さいまし」

「ノ、ノボリさん…!」

メシアノボリ…ありがとう。あなたの背後に後光が見えます。いやごめん言い過ぎた。そうでもないね、うん。…あぁ、良かったな!チラーミィ…ま、まだ白目むいてる…!やだこの子爆睡してるわ!


*****


おい。ここ凄いぞ。お菓子がいっぱいある…!高そうなお菓子から駄菓子チックなお菓子までバリエーション豊かに棚に詰めてある。あ、お茶とかコーヒーもあるぜ。すげぇな…ずっとここにいたい。椅子に座りお菓子を貪り続けどのくらい時間が経っただろうか。可愛らしいピンク色のペロキャンをくわえる私にまたもやノボリさんが冷たい視線を向けた。え、なんで?

「…二人きりですのに、会話も無し…でございますか?」

「ひほほほひゃはひひゃひゃひゃふぇひょ?」

すまん。ペロキャン舐めながら喋ったら大変なことになったわ。私が言いたかったのは「仕事の邪魔しちゃ駄目でしょ?」だぜ。…ちょちょちょちょ。ノボリさんその無表情止めよう。怖い怖い怖い。馬鹿にしたわけじゃないんです。ペロキャンが美味しすぎるのが悪いんです。だから無表情で近づいてこないでぇぇええ!!!チラーミィさん!チラーミィさん助けて!…白目むいてやがるよ!

椅子に座る私は逃げ場がない。焦る私の顎を掴み上を向かされる。こ、これは…フラグが立っている気がするぞ…!!が、何故かノボリさんは私が口に含むペロキャンの棒に手をやった。は?と思う間もなくペロキャンを取られてしまった。あ、と口を開ける私にノボリさんが艶のある笑みを浮かべそれを近くのゴミ箱に投げ入れる。わ、私のペロキャンンンン!!!


「ボッシュートでございます」


く、草野さんだと!?だがこの突っ込みを言葉にすることは出来なかった。何故なら私の口は、ノボリさんによって塞がれてしまったから。何度もちゅーをされて、ぼんやりする頭で私が思う事は一つ。

…もう仕事サボらねぇ。




後書き

ムアさまリクエストの「ボッシュートでございます」でした。この台詞を見た瞬間吹き出しました。ムア様のセンスに脱帽です…!絶対甘々にしてやるぜ!と意気込み…これが私の精一杯でしたorz
…力不足で申し訳ない。

執務室のお菓子はノボリさんのが八割、クダリさんが二割です←

ペロキャンはクダリさんのというどうでも良い設定がありまして、それにすら嫉妬するノボリさん…なんです実は。あれ?ヤンデレ?ヤンデレはランクルスだけでお腹いっぱいですね。

それでは…ムアさま、リクエストありがとうございました!