どうやら私はとんだ尻軽女と思われていたようだな。ショックである。泣きすぎて目が腐れそう。クダリさんの馬鹿やろう。引きこもり少女だったこの私がビッチな訳ないだろうが。そんな簡単に股開くか…って何言わせんだ。そりゃあさ?致し方なく…ちゅーはしたけども、医療行為じゃん?私にとっては立派な医療行為でしたよ。そのお陰であんたは今元気なんだからな。クダリさんが何考えているのかわかんねぇ…。

「…何なんだよ、まじで」

うぅ…上がりたくない。ふやけた手で風呂のお湯で遊んでいると、バンッ、と扉が開いた。は?クダリさんまじでぶん殴る…ぞ?あれ、チラーミィ…とバチュルだ。握り拳を構える私の目の前に現れたのは不機嫌度MAXな顔をしたチラーミィと、そのチラーミィの頭に乗るバチュル。え?なに?どした?飯食ったよな?

「おい、どうしたってんだよ…うお!?」

バシャンと大きな音を立ててお湯が跳ね上がる。理由?チラーミィが飛び込んだんだよ…。わわわ!し、痺れるるる…!バチュルをお風呂にいれたらいけません…!溺れかけのバチュルを救い出し安堵の息を吐く。一体…なんだ?首を傾げる私を見上げるチラーミィ。その瞳は…不安そうに揺れている。…もしかして。

「心配してくれてる?」

全力で頷くチラーミィに自然と口元が綻ぶ。…嬉しいけどさ、あんまり風呂の中で暴れるなよ…。よーく見てごらん。この風呂…もうお湯が半分以下になってんで。感動して心は温かいが現実はめちゃくちゃ寒いで。この野郎…叱るに叱れんやないか。…シャワー浴びて上がるか。



ドライヤーでチラーミィとバチュルを乾かして忍び足でリビングへと向かう。不審者ではありません。この家の家政婦です。…右よし、左よし…ソファよし…ふむ、クダリさんは居ない…あらら…?

「…私がやるって言ったのに…」

テーブルの上は綺麗に片付けてあった。流し台に置きっぱなしかと思ったが、食器類は全て乾燥機に入っているではないか。なん…だと…。私の仕事が取られたわ。なにそれ。気を遣われてるの?人をビッチ扱いしてた癖に?笑わせんじゃねぇぞクソが。おっと、口が悪かったですね。失礼失礼。なにぶん素直なもんでね。…もう寝るか。





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