うぅ…しんどい…。あの後マッハで風呂に向かった私はなんとかノボリさんと顔を合わせる時間を減らすため、なんと二時間も風呂に入っていたのである。半身浴?違うわい。あれ寒いじゃん。普通にお湯に浸かってたわ。ぬるま湯だったとはいえ疲れたわ…。なんで癒される筈の風呂で疲れなあかんの?まじで。

まだいるかな…?とリビングまでコソコソ歩みを進める。…いない。もう寝たかな?明日も早いもんね。どうやら先に寝てしまったようでリビングにノボリさんの姿は無かった。よっしゃ、一安心だぜ。小さくガッツポーズしながらソファへと向かった。ふかふかのソファに身体を沈め溜め息をつく。はぁ…疲れたわ。今日のノボリさんおかしいだろ。…変なもんでも食ったのかな?え?私のオムライスのせい?そ、そんなバカな事…あってたまるか!

「…クダリさんのシャツのボタンを付けてやるか」

ちょっと現実逃避したいし、裁縫はいい具合に集中するからもってこいだろ…うん。チラーミィ達はもう先に寝かしてあるからな。乾燥機の中の食器を片付け、クダリさんのシャツと裁縫道具を手にまたソファに腰掛けた。…しまった。コーヒー作ろうと思ってたんだった。チッ…戻るか。

「はぁ…良い匂いだ。さてさてチクチクしましょうかね〜…ッ!!!!」

あっぶねぇ。コーヒーカップ落とすかと思った。何故かって?ノボリさんが出現したからだよ!!優雅にソファに座ってらっしゃるよ!ああぁぁぁ…もうチクチクする準備してるから彼の隣に座るしかないぃぃぃ…。ほんの少しの悪あがき…やるか。

「…コーヒー、ノボリさんも飲みます?」

「…では頂きます」

ちょっと心の準備がいるからね!ゆっくり作らせて頂きますよ!!自分のカップを机に置き、ノボリさんの分のコーヒーを作りにキッチンへ。…ノボリさんってブラックで良いのかな?ブラックなイメージはあるけど、一応ミルクと砂糖をお盆に乗せて持っていくか…。

「はい、お待たせしました」

「…ミルクと砂糖も用意して下さったんですか?」

ノボリさんは少し驚いた様に目を見開き、ありがとうございます、と呟いた。どうしたんだろう…。まぁ、良いけど。気まずいわ〜と思いながらノボリさんの隣に座り、少し温くなったコーヒーに口をつける。うん…美味い…。さて、隣の方をスルーしてチクチクやろ。…あら?

「ノボリさん、ミルク使うんすね」

しまった。意外だったからってなんで自分から話かけてんねん、私!自爆した、と落ち込む私にノボリさんが実は、と口を開いた。なんやねん、もう何でも聞いたるよ。チクチクする手を止めノボリさんに視線を向ける。

「わたくし…ブラックは苦手なんです」

…イメージと違いますでしょう?と息を吐くノボリさん。なんだ?意外とそういうの気にしてたんだ。え、もしかして今までブラックで出されたら無理して飲んでたりしたの?えぇ!い、意外に健気…!いや、まぁ…イメージとは違うけどさ、別にノボリさんがノボリさんである事に変わりないし。てかそんなイメージを押し付けてくる奴にはうちのチラーミィさんのすてみタックルを食らわせてやるわ。

「イメージなんか気にしてたら、疲れますよ?」

「まぁ、そうなんですが…。どうも気になってしまうんですよ」

「はーん…。ま、私はどんなノボリさんでも素敵と思いますがね」

ブラックが飲めないとか、あれだろ?またギャップ萌えってやつだろうが?んもー!何アピールだっつの!…の、ノボリさん?またさっきの変な雰囲気になってます……しまった。私はまたやらかしたみたいだ。耳 が 赤 い で 。しまったー!と顔には出さず視線をクダリさんのシャツに向ける。…あ、三つもボタン取れてるやん。





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