視線がいたい。そうだった…。クダリさんとセットだからね、目立つわけね。しかもクダリさんの制服着てたら余計な!はっはっは!…誰か、助けてー…。ぎゅっとチラーミィを抱きしめる力を強めたら噛まれた。お、お前ぇぇ…。…とりあえず着替えるため、何故か双子の執務室に連れて行かれてるが、なんでや。まぁ、確かに誰も来ないと思うけどさ…ちょっと恥ずかしいというかさ…。

「ねぇ…カオル、あれ本気で言ってたの?」

「んん!?…え、なに?」

ビックリしたー…。いきなり話かけるなよ!…で、なんだって?あれってなんだよ。首を傾げればクダリさんに苦笑された。…最近クダリさんが大人っぽい気がするんだけど。いや私より年上だけど、なんか…雰囲気が変わったというかなんというか…ね。

「僕、見てたけどあの子達が繰り出した技…火炎放射とハイドロポンプだったよ?」

「え、嘘だろ。…そんなに威力無かったですよ?」

「…嫌味を言ってるのかと思ったけど、違ったんだね」

わお。だからあんな顔してたのね。確かに「今のがお前らの本気なんですか?へぇ〜ふ〜ん」って言われた気がするよな。…む、無自覚で私酷いこと言ったということか…。いや私が被害者だけどな、…なんか申し訳ない気持ちになる…。強過ぎてごめんね。…え?嫌味?違う違う違う。本音本音。

「女の子って怖いね…。ビックリしちゃった」

「ようやく知りましたか…女子共の恐ろしさを」

苦笑を浮かべながらクダリさんが一度頷く。流石の私も技を食らうとは思ってなかったわ。…そろそろ着替えないと私風邪引きそうだ。……ふぇくちょん!!…くしゃみが腰にくるわ……ん?な、なんかクダリさんが見てくるんだけど。

「ふふ…カオルのくしゃみ、可愛いね」

……!!!ば、ばかやろ…!そんな顔しちゃ駄目…!慈しむように目を細め微笑むクダリさんを私は直視出来なかった。は、恥ずかしすぎるんだよ…!クダリさんから発せられる甘い空気に戸惑いながらも、執務室に無事到着したわけだ。で、中に入った瞬間ノボリさんがカッと目を見開いたまま、ツカツカと私の目の前にやってきて全力でビビっている。

おまけにクダリさんの制服を脱がそうとしてきてカオルさんはまじで焦っているわけだ。一体あんたどうしたんだ!!クダリさんが慌ててノボリさんを羽交い締めにして止めてくれたから良かったけど…。しかしノボリさんはそれでも声を荒げる。

「わたくしの前で、クダリの服など着ないで下さいまし…!今すぐ!お脱ぎなさい!」

「ばかたれ…!!下着が透けちまうんだよ!!」

「……し、したぎ!?」

そう呟くとノボリさんの顔は一気に赤くなり、クダリさんを腕を振りほどいた。そして両手で顔を覆い恥ずかしがっている。こんの乙女め!!…ふぇっくし!うぅ…寒い。

「カオル、寒いでしょ?シャワー浴びておいで。タオルと着替えは外に置いておくから」

「クダリさん…。ありがとう」

だから執務室に連れてきてくれたんだ…クダリさんまじ紳士。…じゃあ、チラーミィよ…。お前は暫しソファで寝ているがいい。私は有り難くシャワー室を借りて身体を温めることにした。しかし、この執務室なんでもあるのな!!こいつは住める…。サブウェイマスターって凄いんだなぁ…。冷え切った身体をシャワーで温めながらぼんやりそう思った。



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