「クダリ、おはようございます。昨日の書類は終わらせたのですか?」

「…うん、僕頑張った。だから今日は有給使ってお休みにした。今日は遊園地でイベントがあるから暇だと思ったからね」

「そうでしたか。では今日はゆっくりお休みなさいまし」

そう言うとノボリさんは行って参ります、とサブウェイへと旅立った。そして残される私とクダリさん。…?クダリさんなんで上がってこな…く、クダリさん!?何故かクダリさんが玄関に座り込んでしまった。い、一体どうした!?慌ててクダリさんに駆け寄るがニンマリ笑顔なクダリさんは首を傾げるだけである。なんやなんや!さっぱりわからんやないか!

「あれ?力が入らないや…」

「えぇぇ…。どないしたんですか、あんた…」

「僕にもわかんないよ!…カオル、ごめん。肩借りても良い?」

「もとよりそのつもり…だっての!」

クダリさんの肩に腕を回して、うおりゃ!と立ち上がる。ちょ、ちょっとね…身長的に厳しいものがあるけど気合いで行くっきゃねぇわな…。…ん?なんかクダリさんの身体が熱い気が…もしかして。のたのたとクダリさんを支えながらやっとこさ彼の部屋まで辿り着いた。そのままベッドに座らせて、失礼、とクダリさんの額に手を当てる。…予想通り、あっつ!!…よしとりあえずパジャマに着替えて頂こうか。

「クダリさん、どうやらあなたは熱があるようですよ。多分風邪でしょう」

「…そっかぁ。だから身体が熱かったんだね」

「うぃっす。だからパジャマに着替えて下さいな。汗もかいてるだろうから身体も拭きましょうかね」

じゃ、パジャマはここに置いとくんで着替えて下さいな。…なんだ、その不思議そうな目は。まさか着替えさせろとか言うんじゃないだろうな。しかしクダリさんが考えている事は違った様でいつもより楽しそうなニンマリ笑顔を私に向けた。何故だろう。無性にぶん殴りたくなるのは。

「カオルが僕の身体拭いてくれるの?…えっちー!」

「あんまりふざけた事言うと熱湯かけるぞ」

それでも宜しいかな?と冷たい目で一瞥すればぶんぶんと全力で首を横に振るクダリさんを置いて部屋を出た。なにがえっちー!だよ。…あんた割と元気そうじゃないか。…あんまり心配させるなや、ど畜生め。ハァ〜…昨日から私働き過ぎだな。洗面器に少し熱めのお湯を張り、タオルを五枚程持ってニンマリ笑顔な病人の元へと急いだ。そしてクダリさんの部屋の前ではたと気付いた。あれ?また乙女ゲー的なイベントじゃね?




prev next
back

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -