まさかお世話になりにきて早々お世話する事になるなんてカオルさんちっとも思ってなかったよ。てか私叫んだからね。廊下でアホみたいに絶叫したからね。ゴミくらい捨てろやぁぁ!って。簡単に言うとあれだよ、ゴミ屋敷でした(笑)いや笑い事じゃないわ。あれは人間が住んでたらヤバいレベル。まじで。てなわけで全力で掃除した結果、大量のゴミ袋が山積みになって気絶しそうになった。

何度ゴミ捨て場と部屋を行き来したことか…。いや、お二人は忙しいんだろうけどさ。ゴミくらい捨てようぜ!?まぁ流石私だね。四時間くらいで人が住める環境にしたからね。

「…ノボリ。うちってこんなに広かったんだねー」

「…そのようですね、クダリ。わたくしも驚いておりますよ」

あんたらがあんなゴミ屋敷に住んでたって信じられませんよ。確実にあの女子共も引くレベル。自分の家だというのにキラキラした目で部屋を見渡す二人を見てはぁ、と息をついたのだった。


******


おっす、おらカオル。すっかりこの家の家政婦さんですよ。あの日から二週間は経っただろうか。…突然男の人と暮らすとかそれなんて乙女ゲー?って思ったけど何にもイベントは起こらない様なので一安心である。さて…今日は帰ってくるのか?

そうなんですよ。あの二人なかなか帰ってこないんですよ。三徹とかザラだからね。この家で彼等を見たのは五日程度だと思う。だからなんか私の家みたいになってるから不思議。

「ま、寂しくないけどね。こらぁ、お前ら!喧嘩するな!」

クダリさんのバチュルとチラーミィの相性が悪いみたいですぐに喧嘩が勃発するのだ。その点ユニラン…今はダブランか。ダブランは静かだ。…フラフラ外に散歩に出てったんだけど帰ってきたら進化してたとか笑える。いや笑えなかったけどね。お、お前どうしたー!!ってまたもや絶叫してしまったからね。どうやら日頃の鬱憤を外で晴らしてきたようだ。…お、お前の方が意外と怖いのなと恐怖したのを今でも覚えている。


「…ふぁあ、眠い。ちょっと昼寝しようか?」


ふかふかのソファの上に連れてきても暴れる二匹に溜め息をつき、いい加減にしろとチラーミィとバチュルを掴み、私の胸に押し付ける。寝ろ、と言えば大人しく甘えてくるから…可愛いんだもんな、全く。

「ダブランもおいで」

…ぷにぷにして気持ち良いわ。あー駄目だ。ね、ねむ…。襲ってくる眠気に抗うことなく、夢の中へ旅立った。
そして目覚めたら既にノボリさんが帰ってきていて固まるのであった。



「おかえりなさい……申し訳ない。今すぐご飯作りますんで」

「あ…、はい。…ありがとうございます」

「(なんか様子が…?)」





prev next
back

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -