荒ぶる鬼神…もとい、ノボリさんを落ち着かせた後、事態は一気に進展した。バトルサブウェイを襲ったプラズマ団を全て捕縛したみたいだ(プラ男A、Bは捕まった中に居なかったから逃げ出したっぽいよ)警察24時もびっくりなその光景に私は目を疑った。プラ男やらプラ美やらがうじゃうじゃいる。そいつらはジュンサーさん達に捕まっていたけど…。お、お前ら…結構まじで乗っ取りにきてたのな…。改めてハッキングを阻止できた事にホッとした。

…まぁそんな事より私は服が欲しい。いつまでもクダリさんの制服は着ていたくない。その…女子の視線がね、怖いわけよ。「なに、あの女!クダリさんの制服着て!キィー!!(ハンカチぎりぎりぃ!!)」みたいなそんなヤツよ。女ってのはどの世界でも面倒だ。私?私はあれだよ、乙女ゲー内ではモッテモテだから現実の男はいりませんよ?…すまない、今のはスルーしてくれ。くっそ!誰か、私に服をくれ!早急に!!


「カオル、どうしたの?もしかして、やっぱり何処か痛い!?」

「痛くない…痛くないからそんなに近寄らないでくれ…」


話掛けられると余計に視線が痛いんだから…あ、しまった。ついタメ口を…!急いで顔を上げればパチパチと瞬きするクダリさん。そしてあっという間に悲しそうに顔を歪ませる。まじでごめん!!


「…僕が嫌い、なの?」

「ばっ…違いますよ!ちょっと耳貸してくれます…?」


しまった。自爆してしまった。おまけに馬鹿と言い掛けたよ、私…。女性陣からの殺気がより強くなったのを感じるがしょうがない。近付いてきたクダリさんの肩に手を置いて、己の顔を近付ける。さらに濃くなった殺気の中で、私は口を開く。

「周りを見てください…。恐らく貴方の…いやクダリさんとノボリさんのファンと思われる女性が沢山いますよね?」

私の言葉に一度離れて、周りを見渡しコクコクと頷くクダリさん。だがまだよく分かってないみたいで「それがどうした?」って顔をしている。これだからイケメンは…。舌打ちしながら手招きしてもう一度耳打ちする。怖いよ〜怖いよ〜。夜道には気をつけないとな。まじで。


「私、今クダリさんの制服着てるうえにこんな事してるから彼女達に恨まれてるんですよ!!下手したら殺されそうなんですよ!!だからボロボロでも良いんで服をください!!頼むから!」

「な、なんか良くわかんないけど分かった!ちょっと待ってて、探してくる!」

きっと尋常じゃない私の様子に驚いたんだろう。クダリさん超ダッシュしていったわ。しまった。私一人になってしまったわ。この殺気だらけの空間に…。い、いや、私はバンギラスすら打ち負かした女だぞ!そんな只の女子共に負けるわけが…いや、ちょ、君たち、目で人が殺せそうだよ?駄目駄目!そんな顔したら…可愛い顔が勿体ないぜ?…すみません、本当に勘弁して下さい。私悪くないです。いや、これまじで。





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