そう思った瞬間飛んでくる巨大な岩。やばいやばいやばい!あれは避けれない!あーもう!どうしよう!焦る私に向かって飛んでくる岩が、あの時のトラックの様に見えた。ゆっくり、ゆっくり私に向かってくる。…また死ぬのか?…いや!んなもん、お断りだ!!

傘をバットの様に両手で持ち構えて、キッと睨みつける。まだ…まだだ。もっと近くにきて…今だ!!傘を思い切りスイングして岩に当てる。が、アホみたいにデカい…重い岩だ。なかなか振り切れない。だが、しかし!ここで負けるわけにはいかないのだ!!奥歯をギリッと噛み締めて身体全体に力を入れる。

「二回も死んで…たまるかぁぁあああ!!!!!!」

振り切れた。私の傘から離れた岩はなんとバンギラスの元に飛んで行き、その事態に戸惑う奴に直撃したのだった。岩はボロボロと砕け散り、バンギラスはその場に崩れ落ちていった。…やった?私の勝ちか?傘を杖の代わりにし、ゼィゼィと肩で息をしながらバンギラスを見る。…立ち上がらない。

「バンギラス戦闘不能、カオルの勝利…ってか?」

フッと笑い地べたに座り込む。すっげぇ疲れたー…。でも、生きとるな、私。大きく息を吸い、吐き出す。良かった…。あの少女には悪い事をしたが…あ、モンスターボール発見。砕けた岩の間からボールを見つけた私はバンギラスへと向けた。

「戻りな、バンギラス」

ボールから赤い光が伸び、バンギラスを包む。…おぉ…なんかポケモントレーナーになったみたいで感動。一人感動に浸る私の耳にコツンコツンと足音が聞こえた。あん?と音がした方を見て思わず固まってしまった。と、同時に血の気が引いていくのがわかった。黒い制帽にコートの様に裾が広がった制服…への字の口…あばばばばば。

「ノ、ノノノノボリさん…」

「僕もいるよ!」

「ク、クダリさんまで…」

ニンマリ笑顔のクダリさんと対照的なへの字の口のノボリさん…目が、目が冷たいでごわす。あれ?さっき死亡フラグばっきばきに折らなかった?なんでまた立ってんの?




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