やっべぇ。バトル超楽しい。ダイケンキの前足の装甲から出てきた大きな剣…アシガタナを右手で、左手でジャローダから繰り出されたアイアンテールと思しき技を受け止める。思い切り押し返せば二匹はバランスを崩したようにフラついたが、すぐに体勢を整えた。見事に"なにこの人間"といった表情を浮かべる二匹に苦笑する。チート人間でごめんねー!

「カオルさん…本当に凄い…。なんで無傷なの!?」

「ははは、トウコよ。それは私が…いやなんでもない」

「えぇ!?なんですか!気になるじゃないですかー!」

危ない危ない。うっかり死んだからだよ、って言いそうになったわ。流石にこれは言えねぇわ〜…言えねぇよ。さてさて、バトルに集中しようぜ。…ん〜、どうしようかな。あ、そういやさっきランクルスがかみなりパンチやらかしてたよね。ということは…。

「…ダイケンキ、だな。ランクルス!かみなりパンチやっちまいな!」

ランクルスの拳が電気を纏いバチバチと音を立てる。トウヤが少し慌てたような声を上げたが、ランクルスはそのままダイケンキに拳をぶつける。よっしゃ、クリーンヒットやで!だが私は忘れていた。ランクルスが特攻タイプだということを。攻撃力が足りなかったために一発で決めることが出来ず、逆にダイケンキのアクアジェットをモロに受けたランクルスは壁へと叩きつけられた。

「うおぉぉい!ランクルス!大丈夫か!?」

「チャンスよ!ジャローダ、リーフストーム!」

はぁ!?リーフストームだぁ!?さっきもやったじゃん。てことは特攻下がってるだろ?なんでもう一回…。いや、今のランクルスにはどんな攻撃も致命傷になるわ。ジャローダの回りには数え切れない程の鋭い葉が出現し、嵐のように渦巻いている。うん、ありゃヤバいな。ランクルスの元へ走ろうとするがダイケンキがそれを阻止するように立ちはだかる。

「申し訳ないですけど…行かせませんから!」

ダイケンキの口から白い息が吐き出されるのを見て嫌な予感がした。トウヤが私に指を差し、ダイケンキに命じた。

「ダイケンキ、れいとうビーム!」

お前ら結構まじでくるのな!意外と殺傷能力高い技ばっかしてくるんですけど!そして人を指差すなや!冷気の光線がダイケンキの口から放たれる。つ、冷たいわ!!だが流石私、無傷過ぎてワロタ。走るため足を動かそうとした時、異変に気づいた。
…足が凍ってるがな。トウヤを見れば、ガッツポーズをしていらっしゃる。ちょいイラっとした私はギリッと握り拳を作り、それを凍っている部分へ思い切り振り下ろす。いや〜自分でもびっくりしたわ。見事に砕け散ったからね。ぱらぱら〜ってなったからね。

「「……」」

そんな私の行動に二人は呆然と立ち尽くしていた。ふふん、こんなもんで私を止められると思ったか?甘い甘い。メープルシロップより甘いわ。ついでにダイケンキをぶん殴って道を作り、ランクルスの元へ走った。駆け出した私にハッとしたトウコがジャローダに攻撃を指示するが、残念ながらランクルスへと向けられたリーフストームは私にぶつけられる事となる。



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