…さ、さむっ!!はぁ!?寒いんですけど!?寒くて飛び起きれば布団が無い…。マイガッ!ゾロアークが全部持って行っちゃってるよ。ぬくぬくと布団にくるまり幸せそうな顔で眠るゾロアークから布団を奪うのは気が引けるわ…。チラーミィとランクルスも暖を求めていたのだろう。布団の中で眠っているようだ。…うむ、今夜は冷えるな。あーあ…すっかり目が覚めたわ。

「なんか飲むかな…」

ぼんやりとした白熱灯の橙色が私は割と好きだ。闇を照らす淡いこの光は、温かくて、殺伐とした気持ちを癒してくれる。ん〜…ホットミルクが美味い。…布団ないと寒いよなぁ。どうしようか…。ノボリさんの布団を拝借するとか…?いやそれはやっちゃいけないよな。思いとどまれ、私。

その時ぎしりと廊下が軋む音がした。嫌な予感がして視線を向ける。…予感は的中である。悲しそうな顔でニンマリ笑うクダリさんの登場に舌打ちしてホットミルクを一気に飲み干した。悲しんでるのか、楽しんでるのかわかんねぇよ。カップを流し台に置いて部屋にさっさと戻ろうとクダリさんを横切ろうとした。が、それは阻止される訳で。

「…なんか用?」

「あの、ちょっとだけで良いんだ。お話…しない?」

「しない」

だから離せよ、とクダリさんの手を振り払う。…そんな傷ついた顔したってなぁ、許さないからな。私だって、傷ついたんだから。あ、いかん。泣くわ。さっきあんなに泣いたというのにまだ溢れてくる涙。こんなに泣いたら脱水症状起こすんじゃね?って、違う違う!み、見るな!…あぁ、なんか自分が情けないよ。とほほ。情けないやら恥ずかしいやらで更に溢れてくる涙を乱暴に拭いまくる。そんな私の肩に手を置いたクダリさんがそのまま抱き寄せた。…こんの。

「…クソ野郎」

「苦しめてごめんね…。沢山傷つけて…本当にごめんなさい…」

「は…なせよ」

離れようと力を込めるが逆に強くギュッと抱き締められてしまう。こ、この野郎…!ビッチだと思ってこんな事してんだろ!?残念だが私はビッチじゃないからな!こんなもんで落ちると思うなよ!もう一度離せ、と言おうとしたが私の耳にクダリさんの吐息がかかり、硬直する私。そして次の言葉に私の思考までもが固まる。




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