あめ玉人生
「…食べろ」
旅人の一言に激怒した。
何故怒っているのか分からないため、しばらく眺めていた。少し落ち着いたのか謝りがてら口を開いた。
「そのあめ玉を天秤からどかせばここから出られる。でも、2度とあめ玉を食べれない人生になってしまうんだ。」
悲しそうに旅人の隣で体操座りをして一緒にあめ玉を眺めた。
時間が流れた。
旅人は立ち上がり、ドアを開けた。
「もう行くのか。僕はまだ悩もうと思う。そっとしといてくれ」
「…」
旅人はドアを閉める前に真っ白な人を見た。
彼の頭は白いミルクのあめ玉だった。
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