四角い部屋
ガチャッ!
ドアの中は3bほどの真四角な白い部屋。
左端に背を向け、うずくまる1人。
![](//static.nanos.jp/upload/t/tabinikki/mtr/0/0/201001150051334.jpg)
「僕は悩んでいるんだ!
そっとしといてくれ」
突然こちらを振り向き叫んだ。
顔 体 服
全て真っ白な人。
顔はのっぺらぼうだ
その人は部屋の右端にある天秤を指差した。
「悩んでるんだよ!」
それは正面から見て右に大きなあめ玉が1つ乗って、傾いている
![](//static.nanos.jp/upload/t/tabinikki/mtr/0/0/201001150052040.jpg)
旅人はその前でしゃがんだ。
「どうしたらいいんだ!」
旅人の前でうなだれボロボロマントにしがみつきうつむいた。
ただただその人を旅人は見ていた。
「僕はあめ玉が大好きなんだ」
「…俺も好きだ」
相づちをとったとたん、その人は真っ白な顔を上げた。
「なら分かるだろう?
僕は悩んでいる!」
立ち上がり、狭い部屋を
ぐるぐる ぐるぐる
歩き回ると再び膝をつき、何もない真っ白な顔を旅人に向けた。
「僕はあめ玉が欲しくて欲しくて、たくさん盗んだんだ。そしたらここにい
て、あめ玉はそれ1つだし、この部屋に閉じこめられたし。」
一度、大きくため息をついた。
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