四角い部屋


ガチャッ!


ドアの中は3bほどの真四角な白い部屋。

左端に背を向け、うずくまる1人。





「僕は悩んでいるんだ!
そっとしといてくれ」

突然こちらを振り向き叫んだ。
顔 体 服
全て真っ白な人。
顔はのっぺらぼうだ

その人は部屋の右端にある天秤を指差した。



「悩んでるんだよ!」

それは正面から見て右に大きなあめ玉が1つ乗って、傾いている




旅人はその前でしゃがんだ。



「どうしたらいいんだ!」

旅人の前でうなだれボロボロマントにしがみつきうつむいた。
ただただその人を旅人は見ていた。

「僕はあめ玉が大好きなんだ」
「…俺も好きだ」

相づちをとったとたん、その人は真っ白な顔を上げた。


「なら分かるだろう?
僕は悩んでいる!」

立ち上がり、狭い部屋を
ぐるぐる ぐるぐる
歩き回ると再び膝をつき、何もない真っ白な顔を旅人に向けた。

「僕はあめ玉が欲しくて欲しくて、たくさん盗んだんだ。そしたらここにい
て、あめ玉はそれ1つだし、この部屋に閉じこめられたし。」


一度、大きくため息をついた。


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