‡まっすぐ道‡
「旅人さんはこれからどこに行くんだい?」
どこに行こう
前
「でわ、僕も前にしよう う-ん」
まっすぐ まっすぐ
悩みながら自分の後ろを進んで行ってしまった
前に進もう
足を出した
「旅人さ-ん」
背中に声があたった
また視線が痛い
いとこが鳴いている
振り向いた
「僕、1つの目を落っこ としちゃったんだ。知 らない?」
目の落とし物の記憶は残っていない
「う-ん、2つだったかな う-ん、3つだったかも しれない」
2つも3つも記憶には残っていない
力になれなさそうだ
「もし、見かけたら僕が 心配してたって言って ほしいな」
弟は翼をばたつかせ
いとこも足踏みをして自分の代わりに頷いている
再び向き合っているお互いは前に進んだ
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