今日も蹴られた、殴られた。
右頬と脇腹と左の二の腕がずきずきする。

心は平気でも、体は悲鳴を上げている。
私、一応女の子なのに。
毎日傷だらけになって馬鹿みたいだね。

最近はずきずきが心まで届いてしまって困っている。
理由もなく涙が出てきて困惑している。

ほら、今も黴菌くんのことを考えるだけでずきずきする。

久しぶりの、私のともだち。
あと多分初めての王子様候補。

私にもそんな人がいるのよ。
みんなみたいにたくさんはいないけれど、とても大切なの。

黴菌くんなら私のこともわかってくれるかな。
私の傷を知って優しくしてくれるかな。

そんなけとを考えつつしゃがみこんでいたら、黴菌くんがやって来た。

色の白い頬を赤く腫らせて、何事もなかったかのように。

このタイミングはただの偶然。多分。
なのに、ここまで丁度良いタイミングだなんて。

黴菌くんは私に笑いかけた。
私からは、涙がぼろぼろ溢れた。

私の心は温かくなった。


モドル


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