温かい寝床すら僕にはないらしい。 僕は学生寮に住んでいるから、逃げ場なんてどこにもない。 夜、本当に真っ暗な闇が訪れるまで僕に自由は中々与えられない。慣れたけど。 いじめられるなんて今に始まったことじゃないし。悲しいけれどね。 同室の人は明らかに嫌そうな顔をして僕を見る。嫌われるようなことはしてないのに。 仕方がないよね。迫害は理不尽なものだから。 ああ、僕に優しいのはカッターちゃんだけだ。 僕の大切な、友達。 だからこそあの子だけは、傷付かないで欲しいのに。 なのに、僕にはあの子を守る勇気がない。力もない。 僕は自分ことで手一杯の情けないやつだ。 せめてあの子の敵に少しでも抵抗出来たら良かったのに。 弱い僕はカッターちゃんの為に祈ることしか出来ない。 せめて彼女に安楽が訪れるように。 そんなことを思いながら、僕は眠った。 ← → モドル |