メープルスイートチューン///junk

女の子は、砂糖菓子で出来ている。
と、誰かが言っていた。

甘いものは調和をもたらす。
とも、誰かが言っていた。

ならば、少女は平和の象徴だ。
甘ったるい笑顔と鈴のような声で、世界に調和をもたらす存在だ。
どこまでも可愛らしく、甘く、とろけるような。
お砂糖とスパイスと素敵なもので出来ている。

それが、少女。

でも、本当に、全ての女の子が砂糖菓子で出来ているのだろうか。
少なくとも私は違う。

平凡、中庸、普通。

私はただ、女の子供というだけだ。
お菓子のような甘い香りもしないし、お人形のように愛らしくもない。
どこにでもいるような、女の子供。

だから、女の子も、少女も、許された人にのみ与えられる肩書きだ。

でも、少女はメスの中では調和なんてもたらさない。

そんなか弱い存在は、水をかけられてみるみる縮むわ。
砂糖菓子なのですもの、ちょっと触れれば溶けてしまうし、少しつつけば壊れてしまう。

そんな、儚くて、輝いている存在。
それ故に、美しい。

ああ羨ましい、私だって少女になりたい。

壊れたっていいわ。
その脆ささえも愛おしい。

それに壊れた方がいいのよ、きっと。
壊れて崩れた少女を、一匙掬って食べたなら真の調和が訪れるの。

だから、少女は壊されなければなりません。
真実の調和の為の、ほんの小さなお茶会のようなもの。

お茶会は必要よ。
だって、甘いものは調和をもたらすのだから。

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Thanks/幸福
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