「ちょ、やっ…せんぱい…んっ」
玄関先から少し進んだリビングで、抱き合い唇を重ねる二人。
全力疾走してきたのか冬場なのに汗ばんでいる海里の胸元から、ペアで購入したネックレスが垂れる。
それは同じように俊太郎の鎖骨の上で存在を主張していた。
「俊太郎…一週間ぶりの、俊太郎だ」
嬉しそうな声で海里は囁くと、その唇を恋人の首もとに這わせ、右手は下半身へと伸びる。
「んっ…ほんっと…久しぶりで…はっ…なんか、やばいですね…せんぱっ…んっ!」
剥き出しにされたそれに海里の手が重なるとその冷たさに思わず吐息が漏れる。
厚着していた二人は行為と室内の温度によってじわじわと汗ばみ、お互いの汗が混ざりあうのも嬉しいと感じた。
「好き…好きだよ…俊太郎」
――――――
目が覚めると、俊太郎がご両親に電話をしていた。
今日は二人とも帰ってきません。と変わらずの無表情で告げる俊太郎に、それは誘っているのかなと問えばほかに何があるんですか?と返されて正直嬉しくて笑えた。
その後二人ともの体力が尽きるまで俊太郎の部屋で行為に耽っていたと告げると、男の顔が驚愕に染まる。
「お前らもうそんな不純なことまで…」
壱は奥手すぎるといってやれば、隣で聞いていた彼の恋人にばんちょに変なことを吹き込まないでくださいと叱責された。