イッシュ地方を旅しているマジュ、エンテイ、ライコウ、スイクンの四人はとある森に来ていた。久々の森にマジュは大はしゃぎで森の木によじ登って木から木へと飛び移っていた。

ちなみにゾロアークとラルトスはポケモンセンターで寝ていた。




「いゃっほーー!!久しぶりの森!
懐かしい!テンションあがるぞ!!」

『おいマジュあまりはしゃぐな人にでもあたったらどうする!』

「大丈夫だ!人なんかあんまりいないだろ?よっ、と!」



バキッ!


次の木へ飛び移ろうと枝を掴むと、
その枝は細かったのか折れてしまった。




「!?やば、失敗した!」

『!マジュ!下、下!』

「へ!?おぁぁっ!?」




着地しようと下を見ると、そこには
ちょうど女の子が通りかかっていた。




「あぶねえ避けろお前ええぇ!!」

「え?わぁぁっ!?」




ドシン!!



避けることもできず、マジュはその女の子とぶつかってしまった。





「いたた…」

「いつつ…あ、悪い!大丈夫か!?」

「あ、大丈夫大丈夫…そっちこそ大丈夫?」

「おう、わりかったな!」




女の子に手を貸して立ち上がらせる。
その女の子は綺麗なオレンジ色をしていた。





「びっくりしたよいきなり空から女の子が降ってくるから…」

「おう!悪かったな!」


『ヒナタ様ぁぁぁ!?ご無事ですか!?』

『何その子?どうしたの…』

『匂う…強者の匂いがしやがる』




近くから3人の男がオレンジ色の髪の女の子の方へよってくる。どうやら彼らはポケモンらしい。


「あ、雷土、蒼刃、紅矢!」

『おい貴様!ヒナタ様のお体に傷がついたらどう責任を取る気だ!?』

「おう!わりい!」

『この子に代わって私が謝ろう。すまなかった。恥ずかしい話この子…マジュは世間知らずでな…』




エンテイがマジュの頭を鷲掴みにして頭を下げさせた。



「い、いやいや!気にしないでください!」

『マジュ、自分でぶつかっておいて"おう、わりい!"はないだろう?
こういう時はごめんなさいと言え。』

「んむぅ…」

『エンテイ、この子…ヒナタもいいって言っているのだからいいんじゃないんですか?』

『む、そうか?』




スイクンの一言でエンテイは小言をやめた。
ふとオレンジ髪の女の子…ヒナタが反応する。




「あれ?てかなんであたしの名前…」

『さっきそこのルカリオがヒナタ様って言ってたろ?』

「え!?なんでポケモンってわかるの!?」

『私達もポケモンだからな…』



3人もポケモンだったことに目を丸くする。



「あ、そうだったんだ!?」

『ポケモンはポケモンでもただのやつじゃないみたいだよね』

『ええ、コバルオンと同じ波動を感じます。』

『伝説系だな…多分』

「え?」




クスリ、とスイクン達は笑みを浮かべる。



『ほぉ?察してたか、さすがだな』



ボフン、と3人の周りを煙がおおい、その煙が晴れると…




「え…エンテイ、ライコウ、スイクン!?」



ポケモンの姿の三匹が凛々しく立っていた。



『(…驚いた、か?)』

「そ、そりゃ驚いてますよ!?ジョウトの伝説のポケモンだもの!!」

『(イッシュでも有名だったか)』

『本物のスイクンは中々美しいな』

『(褒めても何も出ませんよ)』





くぁふ、とあくびをしながらスイクンが答える。
ライコウはんー…と背伸びをする。




「ピカチュウなのか雷土!!
可愛いな!小さいな!小さいな!」

『小さい二回も言わないでくれる?』

「だってほんとに周りの奴らよりも小さい」

『10万ボルトしてもいいかな』

「買_メダメダメ!」




10万ボルト寸前でヒナタが止める。


 
『(マジュ、いい加減にしなさい)』

「ん、すまん!」




その時小さくお腹がぐう、となった。



「ん?誰?今の」

『ヒナタちゃんでしょ』

「蝿痰、違う!」

「今のあたいだ…腹減った…」
   



先程の元気な態度とは違い少し弱々しくマジュが答えた。
今度は大きくお腹がぐぅう、となった。



『デケェ腹の音だなお前』

「腹減った…」

『(さっききのみ食べてたろお前)』

「動いたら腹減った」

『『『(はやいわ)』』』

「(わ、伝説のポケモンのツッコミ!)」



伝説のポケモンがツッコんだことに軽く感動するヒナタ。




「あ!ならカフェでお茶しない?今から行こうかなって思ってたとこなの!」

「いく!!」

『(ではそうさせてもらうかな)』



エンテイ達も擬人化するとカフェの方へ歩いてった。



歩いて15分、カフェにつくとふらふらとしていたマジュその目に光がガッと灯りメニューを食い入るように見始めた。



「あたいパフェがいいパフェ!いちごな!」

『さっきまでふらふらしてたのに食い物のことになると元気になるよなお前』

「じゃあ私も同じやつ!」

『俺はチョコだな』

『私はコーヒーで結構です』

『俺も』

『俺もだ』

『僕オレンジジュース』




注文し終え、それぞれの注文したものが来るまで雑談することにした。




「マジュちゃんはどこから来たの?」

「あたいはジョウトのアルスの森からだ」

『森住まいか、珍しいな』

「そうか?あたいチビの頃からエンテイ達と過ごしてたからよくわかんね!」


「ん…?マジュちゃん、お母さんお父さんは…?」

「母ちゃんはあちこち行ってるぞ。仕事で忙しいんだ」

『掛け持ちしているからなランゼーは…』

「キャリアウーマン系かあ…」

「お待たせいたしました、こちらご注文の品でございます。」


そんなこんな話していると注文した品が届いた。




「きたきた!ここのパフェ食べたかったんだよね!」

『うぉ、甘そ…俺甘いの苦手だ』

『私もどちらかといえば辛いもののほうがいいな』

『私も辛いもののほうが…』

『ケッ、ジジイ共が…』

「こ、こら紅矢!」

『ジジイは否定しない。…あ、ミルクとってくれマジュ…』

「ふぉ?むぐ、むご…」




エンテイがミルクをとってもらおうと
マジュに声をかけるとマジュは口いっぱいにパフェを頬張っていた。



『…あのな、そんな詰め込まなくてもパフェは逃げていかないからゆっくり食べろ』

「むぐむがむご…」

『口の中の物飲み込んでから言え』

「ん、すまん」



「もう食べたの!?はやっ!?」

「頭がキーンて痛い!」

『一気に食べるからですよ』

『馬鹿なの?』




コンコンコン、と頭を叩くマジュに雷土が冷たい目線をおくる。




「だってうまくてよー…」

『ほら、あちこちクリームつけて…
どこをどうやったら鼻にまでつくんですか?』

「ん、わりぃ」



その様子を見ていた蒼刃がボソッと口にする。



『スイクンはまるで母親のようだな』

『そうですか?あまり自分では意識してませんが…』

『オヤジはエンテイテメェだな、』

『私か?』

「じゃあ姉ちゃんはヒナタだな!」

「え、あたし!?」

「ほんで紅矢と雷土と蒼刃とは兄ちゃんだな!ヒナタの」

『ヒナタ様が俺の妹に…!?俺のことを兄と呼ぶヒナタ様…』

「あれ、蒼刃?おーい…」




蒼刃は完全に妄想の世界へ行ってしまった。




『ヒナタが妹か、ハッ悪くねえ。
兄であることを利用することができるからな』

「ちょちょ!?あたしパシリにするつもり!?」

『確かに妹なら色々いいかもね』

「ちょっとぉぉぉ!?」

『確かにこんなに可愛い妹ならほしいかもな!』

「ライコウさんまで!?」

「あたいヒナタのこと姉ちゃんにほしい!」




カフェの中でもここが一番賑やかだったそうです。



end

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