ここはライモンシティ
遊園地、カフェ、ポケモンミュージカル、競技場などがある町だ。
しかし、それだけではない。
ライモンシティにはあの人気モデルカミツレがいるのだ
今日はそんなカミツレによるファッションショーがあったため多くの人が集まった。
あるものはファッションをチェックしたり
あるものはカミツレを見にきたりとファッションショーは無事大成功に終わった。

「はあぁぁぁ!カミツレさん、とっても綺麗だったね雷士!」

そう言って嬉しそうに話す少女、名前はヒナタ。相棒と共にファッションショーを見に来ていたらしい
隣にいるはずの相棒から返事がない
不思議に思ったヒナタは周りを見渡した。

「あれ、雷士?っていない!
いつの間にか居なくなってるし!?
雷士、どこ行ったのぉぉ!?
(もう、ほんっとうにマイペースなんだから!)」

マイペースな相棒に頭痛を感じたのか、ヒナタは頭を抱えながら、相棒を探す旅に出た。

___________


場所は変わってここはライモンシティの公園
公園には1人の少年がいた。

「全く…どこ行ったんだか…」

少年の名前は雷夏、本来ならば、その隣には相棒がいたはずなのだが、どこにも見当たらないようだ。

「あの時、無理矢理でも連れて来るべきだった…本当にどこか気が抜けてるんだから…クレハは…」

深いため息をついて頭を少し掻き、歩き始める

「探しに行かなくちゃね…。」

また深いため息をついて来た道を戻って行った。







「あれ…?ここ、どこ?」

ここはライモンシティの路地裏。
雷士を探しに来たはずが、自分も迷子になってしまったようだ

「うぅ…(迷子になるぐらいなら、怖くても紅矢とか嵐志とか連れて来るべきだった…。)」

よそ見をしていたせいか誰かにぶつかった

「きゃ…!す、すみません!大丈夫ですか?」

「いってーこりゃあ骨折しちまったよー」

「てめぇ兄貴に何してんだよ金払え!金!」

「(ふ、不良!なんかこの人達今時古いような気もするけど…。
嫌々いや!今はそんな事考えてる暇じゃないよ!ど、どうしよう…今は1人だし…)」

どこかずれているツッコミを入れながら
不良とどう対処するか考えてるようだ

「でも、嬢ちゃん中々可愛いじゃねぇか
俺とどっか行くってなら、金払わなくてもいいぜぇ?」

「やっさしー!流石兄貴!」

「フッ…まあな」

「(へ、変な不良だ…ナルシストなのかな…?)」

「さて…どうするよ?何なら、ここで遊んでも俺はいいぜ?」

「ひっ…!」

そう言って不良の手がヒナタに触ろうとした瞬間だった

「あのさ…君たち邪魔なんだけど…。
それとさ、彼女嫌がってるじゃん。そんなのもわかんない?
まぁ…君たち頭悪そうだしね仕方ない…か」

突然ヒナタは腕を引っ張られ、腕の中に閉じ込められた

「だ、誰?(雷士じゃないし…まさか、新種の不良!?)」

「僕?僕は雷夏。」

「(た、多分悪い人ではない!…と思う)」

「おい!てめぇ…さっきから何ボソボソ喋ってやがる!」

さっきの会話は小声で話されていたようだ。

「ん?あぁ。君たちが昼間から馬鹿な事してるなって話してただけだよ」

「てめぇ…ぶっ殺す!」

「うっわ…まさか喧嘩になるとは思わなかった…君、早く逃げて!」

「雷夏さんは!?」

「大丈夫だよ、僕は。だから早く!」

「絶対!絶対に戻って来てください!」

「わかったよ」

雷夏はヒナタの方を見て少し微笑んだ
それを見てヒナタは心配そうな目を見せたが、自分がいても足手まといと思ったのか走って路地裏から出て行った。

「さて…と、さっきの子も気になるし早く片付けよっか」

雷夏はニヤリと小さく笑って不良を見た

___________


「大丈夫かな…雷夏さん…」

路地裏から出て直ぐの道で雷夏を待つヒナタ
かれこれ5分は経過している

「やっぱり、あたしも一緒にいた方が良かったんじゃ…でもあたし運動は苦手だし…」

ぶつぶつと同じ道を行ったりきたりと繰り返している。
第三者から見れば痛い人だが今、周りには誰も居なかった。

「あれ…まだ居たの?帰ったかと思ったよ」

「!!雷夏さん!」

ヒナタの前にきたのは、かすり傷1つない雷夏の姿だった

「(うわ…よく見たら雷夏さん凄く綺麗!)」

さっきは路地裏でよく見えなかったせいかヒナタは雷夏の顔を見る。



雷夏はそんなヒナタの様子を無視し、睨みながら聞いた

「で、聞くけど何であんな危険な場所に行ったの?」

「あ、あの相棒を探していまして…」

「まさかとは思うけど、その相棒を探していたら君が迷子になってあの場所に居た。とか言わないよね?」

「ヴッ…」

「図星なんだね」

「はい仰る通りです」

はぁ…と雷夏はため息をついた
そんな雷夏の様子に驚いたヒナタはビクッと肩を震わせた

「そんな怯えなくていいよ。
あんな場所には迷子だとしても誰も行かないから。
不良以外誰も居ないから。
次から行かないようにしなよ」

「は、はい!」

「うん、いい返事。じゃあ行こうか」

「ん?どこにですか?」

「君の相棒を探しにだよ。僕も丁度相棒探していたんだ。一緒に探した方が効率的だし、何よりまた君が変な場所に行かないように…ね?」

「いえ、あたし1人で…」

「ちなみに君の意見は聞かないから」

「え、ちょっ…雷夏さん!(何でだろう…雷士を思い出す…)」

こうして、雷夏とヒナタは一緒に相棒を探すことになった。

「そう言えば、まだ名前聞いてなかったね」

「あ、そうでした!あたしヒナタっていいます!」

「ん、わかった宜しくヒナタ」





場所はさらに変わり、ここは遊園地
1人の少年は今大変困っていた。

「おい兄ちゃん聞いてんのかぁ?」

「………(うーん…どうしよ)」

この不良をどうするか。

逃げようにしても不良は結構な人数がいた

黙って居ることに調子に乗っているのか不良共は

「こいつボスが怖くて喋れないんじゃね?」

「かもなぁ」

と言っているが

「(擬人化解くのもめんどくさいけど、この人達から逃げるのもめんどくさい…)」

少年は何1つ聞いて居なかった。

「(めんどくさいけど、この人達倒すか)」

そう思って行動しようとした瞬間だった

「…そんな大人数で1人を囲むなんて…貴様らは馬鹿か?嫌、馬鹿か」

「あぁ!?何だてめぇ!」

「私か?
…そうだな…通行人Kとでも行っておくか」

「何それ…」

少女のボケにボソッとツッコミを入れた少年

「ガキが調子のるんじゃねぇ!」

「…これはまずいな。」

「なら…何できたの?」

少女の呟きに少年は呆れた声で少女に言った。
だが、少年と少女の距離は結構あった。

「何故かって?そんなの決まっています。貴方がめんどくさそうな顔をしていたからですよ」

「!(いつの間に…)」

が、少年の言葉をちゃんと少女だけは聞いていたようだ。

「さて…逃げますよ」

「大丈夫なの?」

「不良は大体足が遅いので、大丈夫でしょう」

そう言って少女は少年の手を掴んで逃げた。

「(本当はヒナタちゃん以外の子と手を繋ぎたくないけど…仕方ないか…)」

そんなことを思っていたのは内緒話です




「……ふぅ、ここまできたら大丈夫でしょう。」

そう言って少女は少年の手を離した。

「…ねぇ」

「何ですか?」

「何で…僕を助けたの?」

「さっきも言ったでしょう?貴方がめんどくさそうな顔をしていたからです」

「本当にそれだけ?」

「はい。」

「…変な子」

「貴方…初対面で仮にも助けた恩人に変はないでしょう?」

「だって本当のことだし…」

「(どっかの誰かにそっくりな気がする…)」

「(そう言えばさっきと口調…違うような…)」

「そう言えば…お名前は?」

「雷士。君は?」

「クレハです」

「うん、クレハね」

「はい。」

「でクレハは1人で遊園地?」

「いえ…連れが居たのですが…いなくなっていました。」

「あ、僕と一緒だ」

「そうですか。お互い、探し人が見つかるといいですね。では」

「(こう言う時普通、一緒に探そうとか言わないの?)…ねぇ」

「はい?」

「一緒に探さない?」

「はぁ?」

「だって、一緒に探した方が早い」

「……確かに」

「じゃあ決定ね。」

「は?ちょっ…まだ承知はしていませんが!?」

「僕はヒナタちゃんだから探すけど。
1人じゃ探すの大変だから手伝って」

「はぁ…仕方ないですね…。
また変な奴らに絡まれたら面倒ですし。

…行きましょう」

こうして、雷士とクレハも相棒を探す旅に出たのであった

「そういえば何で君敬語なの?」

「年上ですし…」

「敬語使わなくていいよ」

「そうか…、では敬語はなしだな」

「ん。じゃあ行こうか」

お互いの相棒と再開するまで後少し…




雷夏とヒナタはまたもやピンチになっていた

「…何か今日は厄日だな…」

「(何でこんな状況でこんな冷静なの!?雷夏さん!)」

「てめぇ、さっきはよくもやってくれたな!」

「君達復活するの早いよ。あぁ、雑魚ほど復活するの早いものはないか」

「(ら、雷夏さんマイペースすぎる!雷士といい勝負かも…)」

「普通の喧嘩じゃ負けるからな…次はポケモン勝負だ!」

「えー…ヒナタ、ポケモン持ってる?」

「す、すみません今は誰も…」

「んー…どうしよっか…」

「ヘッ!ポケモン一匹も持ってないようだな!チャンスだ!お前等もポケモン出せ!行け、ヤブクロン!」

「チョロネコ!」

「ズルック!」

「コロモリ!」

「ミルホッグ!」

「これはピンチかも…」

「かもじゃなくてピンチですよ!雷夏さん」

「ヤブクロン!ヘドロ爆弾!」

「ヒナタ、下がって!」

「雷夏さん!」

『させない…!』

ヘドロ爆弾が打たれ、雷夏とヒナタに当たる瞬間、横から10万ボルトが放たれた

「(この声は…)雷士!」

『ごめんねヒナタちゃん、遅くなった』

「ううん、きてくれてありがとう!雷士!」

『お安いご用』

と雷士が話していると、遠くから声がした

「雷士!間に合ったか?」

『大丈夫だよクレハ。ギリギリ間に合った』

「ふぅ…良かった」

『良かったじゃないよ馬鹿』

「雷夏!お前も居たのか!」

「えぇぇ!?雷夏さんってポケモンだったの!?」

『あれ?言ってなかった?』

「言ってませんよ!」

『じゃあ改めて…僕は雷夏。そこに居るロングヘアーの相棒、ピカチュウ』

『じゃあ…ついでに僕も…僕は雷士。ヒナタちゃん…ミディアムヘアーの子の相棒、ピカチュウだよ』

「私はクレハだ宜しく、ヒナタ」

「あ、あたしはヒナタです!宜しくねクレハちゃん!」

「よし、挨拶も終わったことだ」

「反撃開始!」

ヒナタがそう言えば、雷士と雷夏は戦闘準備をする

「雷夏、ミルホッグに雷だ」

「雷士はコロモリに10万ボルト!」

「「ミルホッグ!/コロモリ!」」

ミルホッグとコロモリは目を回して倒れる

「残りは3匹」

「この調子で行くよ!」

『わかってるよ』

『準備は何時でも』

「くそ、チョロネコ乱れ引っ掻き!」

「ズルックは飛び蹴りだ!」

「させちゃダメだよ!雷士!チョロネコにエレキボール!」

「先制を取れ雷夏、ズルックにボルテッカーだ」

「強い…!」

「俺のズルックが…」

不良を次々と倒していくクレハとヒナタ
残るはボスただ1人

「クレハちゃん!最後はピカチュウのあの技で決めよ!」

「あの技…か。わかった」

「雷士!」

「雷夏」

「「10万ボルト!」」

「ヤブクロン!」

「やった、勝ったよ!雷士!」

『わかってるよ』

「よくやった雷夏」

『まあね』

ヒナタは雷士を抱き締めて喜び。
クレハは雷夏を撫でた

お互い、無事助かったと言うことで只今、ヒナタとクレハは今日のことでお礼を言っていた

「うちの雷士がお世話になりました…!」

「いや…うちの雷夏も世話になった」

「(クレハちゃんクールビューティー!)」

「ヒナタちゃんあんまり変な事、考えないでね。僕、追放されたくないから」

「べ、別に変な事考えてないよ!」

そんな二人を見ていたクレハと雷夏は

「…仲がいいんだな」

「そうだね。」

『仲がいい』…とそう感じたらしい。

「全然そんなことないよ!いつも叩かれてばっかで…」

そう言って自分の頭を撫でるヒナタ。そんなヒナタを見て雷夏は考えるポーズしニヤリと笑った

「ふぅん…ねぇ、雷士、借りていい?」

「?良いですよ」

「ん、じゃあちょっとこっちきて雷士」

「…何?」

雷夏は雷士を引っ張って少し遠くを歩いて行った
そんな彼らを見送った後、ヒナタは改めてお礼を言った

「本当にお世話になりましたクレハちゃん」

「いいんだ。頭をあげてくれ
後、敬語もなくていい。」

「うん!わかった!」

「しかし…何故だろうな…お前と一緒に居るととても…心地よい…」

「!クレハちゃん…」

「…すまない初対面なのに、こんな気持ち悪いこと言ってしまって…」

「ううん、そんな事ないよ!あたしもクレハちゃんと一緒に居るの楽しいから!」

「…ありがとう」

「クレハちゃん可愛い!」

「わっ!」

クレハはお礼を述べながら少し微笑んだ。
その様子を見たヒナタは思わず抱きつく。
クレハは急に抱きつかれて驚いたもの、倒れなかった。

「だから言ったじゃんヒナタちゃん。僕牢獄に入りたくないって」

だがすぐに雷士によって離された

「止めてよ雷士!あたし今クレハちゃんで今日の疲れを癒していたのに!」

「大丈夫だよ。ストレスは寝ると無くなるんだよ」

「それだけじゃ無くならないよ!」

「あれの何処が素直なんだか」

「煩い雷夏黙って」

「おー、怖い怖い」

雷夏は両手をあげた。そんな雷夏を見て呆れた目で見ていたクレハは時計の存在に気づき、今の時刻を見てあることを思ったので聞いてみることにした。

「ヒナタ、帰らなくて大丈夫か?」

「えっ?」

クレハが指でさしてる方を見れば、17時を過ぎた時計があった

「わあぁぁぁ!雷士、どうしよう!紅矢達に怒られちゃうよ!」

「仕方ない、今日はここに止まろうか。そうすれば今日は怒られないよ」

「なるほど!確かに…ってそれじゃあ明日余計怒られちゃうよ!」

「良かったら…だが、私の仲間に飛行タイプのポケモンがいるから、そいつに頼んでみるか?」

「え!?いいのクレハちゃん?」

「あぁ、今日のお礼としてこれくらいさせてくれ。」

「わぁ!ありがとう!」

「いいの?」

「奏夜は断らないだろ」

「確かに」

___________

「じゃあ奏夜頼んだ」

『わか、った…ヒナタさん…、雷、士…、しっかり…捕まって…て』

「うん!ありがとう奏夜くん」

『落ちないと良いけど…』

「あたしそんな重くない!」

「だから言ったじゃん雷士、」

『雷夏は煩い。奏夜早く出て』

『わかった…』

「わ、わ、じゃあ本当にありがとうクレハちゃん!また会おうね!」

「あぁ」

「またね!」

長かった1日もこうして終わりを告げた。

『言われなくたってわかってるよ…』

「たまには素直にならないと、伝えたい思いがあっても伝わらないよ?ヒナタそうとう鈍感そうだしね。
まあ、僕は君のこと応援するよ」

彼はそう言って笑っていた

『…まぁ、一応ありがとう。って言っとくよ』

「ん?何か言った?雷士」

『別に…それより僕眠いからヒナタちゃん後宜しくね』

「え…雷士、ここで寝るの!?
よく寝れるね!!怖くないの!?…いや雷士だからかいいのかな?」

相棒の声をBGMに雷士は目を閉じた。


end

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