long | ナノ







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『ん"〜っ…はぁ、良い天気だねぇ』

〈こんな日はお昼寝が1番だよね〉

『いや君は台風だろうと豪雨だろうと寝てますけど』


雷士と軽口を叩き合いながらライモンシティを練り歩く。遊園地も満喫したし…そろそろ次の街へ行こうかな。


『えっと…確かホドモエシティだっけ。PWTってのが出来たらしいけど何だろうね、着いたら見に行ってみようか』


手元のガイドブックによればホドモエシティは炭鉱の街ともあるなぁ…ハル兄ちゃん鉱石とかも好きだから気に入るかもね。

テンション上げて喜ぶハル兄ちゃんを脳内で想像し1人笑みを零すと、前方から何やら怒声が聞こえてきた。


『…?何だろう』

〈…あれ、ねぇヒナタちゃん。あの強烈な服って…〉


雷士の言葉と共に声に近付いていくと、確かに見覚えのある人達がそこにいた。


『…プラズマ団…!』


そう、黒い服と口元を覆い隠す布…間違いなくプラズマ団だ。そして傍にいたのは、怒りを露わにしているヒュウくんだった。

何かを話しているみたいだったけれど、通り過ぎるわけにもいかず急いで走り寄る。


『ヒュウくん!』

「!ヒナタ!?」

「ちっ…仲間か。ややこしくなってきたな」


あたしが声をかけるとヒュウくんは驚いていたけれど、すぐにプラズマ団へと視線を戻す。対するプラズマ団は事を荒げたくない…というか騒ぎを起こしたくないのだろう、苦い表情を浮かべ舌打ちした。


「…丁度良かった、ヒナタも手伝ってくれ」

『手伝うって…』

「コイツらをバトルで叩きのめす!」


やっぱりこういう事になるんだね…。それにしてもヒュウくんの怒りが尋常じゃない。プラズマ団と何かあったのかな…?


「一体俺達がお前に何をした?怒る理由が分からないんだが…」

「…何もしていない。だが俺はお前達に色々聞きたい事がある!」

「はぁ…まだ騒ぎを起こしたくはないんだがな。邪魔するというなら仕方ない…返り討ちにしてやろう!」


まだ、という言葉が引っ掛かったけれど今は目の前のプラズマ団に集中しなきゃ。既に臨戦態勢のヒュウくんに並び身構える。


「いくぜフタチマル!」

『雷士お願い!』


ヒュウくんにはフタチマルがいるんだ…。目つきが鋭くて強そうだなぁ。ホタチ、だっけ?両手に構えてやる気満々だ。

プラズマ団2人はゴルバットとヤブクロン。あたしは相性的に有利なゴルバットを攻めよう!


「ゴルバット!フタチマルにつばさでうつ!」

『雷士!ゴルバットにでんこうせっか!』

「何!?」


残念でした!雷士の素早さは飛び抜けているんだよ!

つばさでうつを繰り出す前に雷士のでんこうせっかで弾き飛ばされるゴルバット。さすがにダウンはさせられなかったけれど…。


「サンキューヒナタ!助かったぜ!」

『ううん、気にしないで!』


あたしが上手く戦えばゴルバットを早く倒せるはず。そうすればバトルも勝てる確率が高くなる!


「怯むな!ピカチュウにあやしいひかり!」

「ヤブクロン!フタチマルにヘドロばくだんだ!」

『避けて雷士!』

〈言われなくても〉

「フタチマル!お前も避けろ!」

〈あぁ!〉


雷士は軽くあやしいひかりを避ける。さすが余裕だね!ヒュウくんのフタチマルも大丈夫そうだ。


『雷士!ゴルバットに10まんボルト!』

〈手加減なしで、ね…!〉


地面を蹴り上げ高く飛び上がり、容赦なく十八番の10まんボルトを喰らわせる。相性の手助けもあり、ゴルバットを見事に撃破出来た。


「な、何!?」

『よっし!ナイス雷士!』

〈まぁね〉

「すっげー…!フタチマル、俺達も負けてられねぇぞ!みずのはどうだ!」


両手のホタチを振り回して繰り出したみずのはどうは凄まじい威力だった。澪姐さんのも凄かったけれど、ヒュウくんのフタチマルも負けてない!



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