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(あれが…融合した姿…?)


ポケモンがポケモンを吸収するなどという光景を初めて見た。立ち姿はレシラムさんに近いように思えるけれど、体や顔のあちこちにキュレムさんの面影を残している。これがプラズマ団の…ゲーチスさんの望んだ姿だと言うの?


「ふっ…ははははは!!ご覧なさい!この気高く美しい姿を!!」

「何てことだ…!レシラム!返事をしてくれ!」

「無駄です!いでんしのくさびがある以上、その意思も力も全てキュレムが支配するのですから!」

「いでんしのくさび…?」

〈儂とレシラムのどちらかを吸収しあのような姿になることの出来る代物だ。しかしあれは遥か昔に信の置ける人間が治める地に預けたはず…何故こやつ等が?〉

「そんなものがあったのか…。彼らのことだ、恐らく力尽くで奪い取ったのだろうね」

「えぇその通り!全くこれを手に入れるのは骨が折れましたよ…。何せ相手はイッシュ地方最高峰のジムリーダーと言って過言ではないシャガだったのですから!」


そんな…!シャガさんがプラズマ団に負けたってこと!?…いや、でもきっと何か汚い手を使われたに違いない。そうじゃなければあのシャガさんがやられるはずないもの。本当にどこまで自分勝手な人達なのだろう。


「さて…遊びはここまでです。ゼクロムもこちらに渡して頂きますよ」

「何故?レシラムはもうそっちの手の中だ。それで十分だろ?」

「いいえ、ワタクシの計画は3匹全てを手中に収めてからが本番なのです。素直に渡さぬと言うならば、ゼクロムを痛めつけて2年前のように石になって頂きましょう!」

「…ま、そう言うだろうと思ったけど。でもそんなことは絶対にさせない。行くぞゼクロム!10まんボルト!」


眩しくて目が開けられないほどの雷光がキュレムさんを襲う。しかしキュレムさんはあろうことかゼクロムさんの10まんボルトをその身で受け止めた。それなのに大したダメージは食らっていないようだった。


「さすがに電気技じゃ分が悪いか…。ゼクロム、りゅうのはどう!」

「フハハ!遅いですよ!」

『えっ!?』


ゼクロムさんのりゅうのはどうがいともたやすく避けられてしまった。あんな速さで反応出来るなんて信じられない。これがレシラムさんを吸収して得た力なの?


「トウヤ!この場所であまり暴れるわけには…」

「それはご心配なく。ここはジャイアントホールの中で最も天井が高く空間面積も広いのですよ。それに元々キュレムが長年生息地としてきた場所なのですから、そう簡単には崩落しないと考えて良いでしょう。…と言っても科学的根拠は少ないので保障は出来ませんが」

「そういうことです。やり過ぎて共倒れになる前に観念してほしいものですねぇ!」

「!避けろゼクロム!」


キュレムさんから鋭いれいとうビームが放たれた。それに素早く反応したトウヤさんの声でゼクロムさんが何とか攻撃を避ける。しかし避けた先にあった岩壁が衝撃で崩れ、弾け飛んだ岩片が傍にいた雷士達に降りかかった。


(危ない!!)



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