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「わ、しかも可愛い!もー、ヒュウも隅に置けないわねっ!」
いやいやあたしからしたらあなたの方がよっぽど可愛いよ!?
ヒュウくんの知り合いらしいその子はお団子とツインテールの組み合わせが良く似合うとっても可愛い女の子。からかう様にヒュウくんを小突く姿は微笑ましかった。
「ちょっとキョウヘイも来なさいよー!ヒュウを弄り倒すわよ!」
「了解!」
「やめろお前ら来んじゃねーよ!2人揃うと厄介なんだよ!」
本気で顔を青ざめているヒュウくんを裏切るように、女の子の次はこれまた可愛らしい男の子が来た。ヒュウくんとは違ったタイプのイケメンさんだね!
それにしても3人は凄く仲良しみたい。良いなぁ、羨ましいな。
「いやー、女の子に全く興味の無さそうなヒュウがこんな可愛い子にアタックするなんて…凄く腹立たしいよ」
「怖っ!何だよキョウヘイ何でお前に腹立たれなきゃならねーんだよ!」
「ねぇねぇ、ヒュウの彼女なの?」
『うぇ!?か、彼女!?ち、違うよ、友達になったばっかり!』
「えーそうなの?…あ、本当だ2匹が凄い顔して両手でバツ印作ってる」
女の子の目線を辿れば雷士と蒼刃がこれでもかと腕をクロスさせて否定の意を示していた。あ、う、うん…ありがとう2人共。
「あれ?うわぁこの子ってピカチュウ!?すごーい実物初めて見たぁ!」
「オレもオレも!可愛いなー!」
きゃいきゃいと雷士を抱き上げて興奮している女の子と男の子。そっか、この地方じゃピカチュウは珍しいポケモンだもんね。
「ヒナタって他の地方から来たのか?」
『うん、あたしカントー出身なんだ!』
「そうなんだ!ねぇねぇ、私はメイ、ヒナタちゃんだっけ?友達になりたいな!カントーの話を聞かせてほしいの!」
「あーっ狡いよメイ!オレはキョウヘイ、オレとも友達になってよヒナタ!」
『…い、イエッサァ…っ!!』
「うわっ何で泣いてんだよお前!?」
『だっだって…!こんなに友達出来たの初めてなんだもん!』
〈痛々しいねヒナタちゃん…〉
お黙り雷士!あたしは本当に感動してるんだから!まさか1日で3人も友達になってくれるとは思ってなかった…!
〈良かったですねヒナタ様…!うぅっ…〉
〈そして何で君も泣いてるの〉
――――――――
「じゃあねヒナタちゃん!絶対連絡するわねー!」
「また会おうなー!」
「気をつけて行けよー!」
『皆もね!ありがとー!』
しばらくポケモンセンターでメイちゃん、キョウヘイくん、ヒュウくんと楽しくお喋りしていたら時間はあっと言う間。3人はこの後ヒオウギジムへと向かうらしい。皆目標があってとっても輝いて見えた。凄いな、あたしも見習わないと!
『よし、あたし達はヒウン目指してタチワキへ行こうか!』
確かタチワキシティはタチワキコンビナートという所があってポケモンを鍛えるのにうってつけの場所らしい。
今度はどんな素敵な出会いが待っているのだろうか、そんな思いを抱きタチワキに向かって出発した。
to be continue…
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