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「…っひ、姫さん可愛いすぎんだろぉおおおお!!」
「天使や!お嬢はこの世に舞い降りた天使やぁあああ!!」
『うへぁっ!?』
〈ちょ、リバースだけはしないでねヒナタちゃん〉
…いやいや、もっと他に言うことあるよね雷士くん!?
あたしはおやつを食べた後、1人澪姐さんからプレゼントされたワンピースを試着していた。するとそれを嗅ぎ付けた澪姐さんに連行され皆の前でお披露目する羽目になってしまったのである。
…で、ワンピース姿のあたしを見た嵐志と樹に何故か強烈なタックルをかまされた所です。
「姫さん本当にどっかのお姫さんみてーだぜ!」
「ホンマやでーもう眩しすぎて直視出来へんわ!」
『だ、だったら離して苦しい…!』
両サイドから潰される勢いで抱き締められているからかなり危険。主にあたしの吐き気がね!
「っお、おいお前ら!ヒナタが苦し「貴様らぁあああ!!ヒナタ様が嫌がっておられるだろう離せ!!」…、」
「あらあら、昴ったら蒼刃に被せられちゃったわね可哀相ー」
「こら澪、指摘されたら昴が傷付くだろう。何も見なかったことにしてやれ」
「うるせぇえええ聞こえてんだよ!!べっ別にオレはヒナタの心配なんかしてねぇんだからな!!」
『えぇええ昴酷い!!』
「え、えっと…昴みたいなのを、ツンデレって言うんだよね?」
『あれ!?そんなことどこで覚えたの疾風くん!?』
「氷雨が、教えてくれたんだよ?」
『氷雨ぇえええ!!あたしの癒しに要らないこと教えないでよ!!』
「おや、この僕にそんな口を聞いていいのですかヒナタ君?」
『ゴメンナサイ』
氷雨様の麗しくも真っ黒い笑顔を見せられたら素直に謝るしかありませんでした。
「はは、本当に賑やかだね。それに澪、ヒナタのワンピースは良い仕事だったよ!」
「ふふ、当然よ。私の手にかかればヒナタちゃんの可愛さを更に引き立てることなんて造作も無いわ!」
「はっ…その力を自分に使ってやりゃいいだろ。そうすりゃちっとはマシな女になれるかもしれねぇぜ」
「あーら、好きな子に意地悪し過ぎて全く振り向いてもらえないアンタよりずっと良いと思うけど」
「振り向く野郎すらいねぇテメェに言われたくねぇな」
…ピキッ、
『…あれ、今何か2人から変な音しなかった?』
「…うふふ…本当にイイ度胸ね紅矢…!私に喧嘩を売るなんて死ぬ覚悟は出来てるのかしらクソガキが!!」
「上等だコラァ!俺の炎で蒸発させてミイラにしてやるぜババァ!!」
〈はい、ファイト開始〉
『いやいや開始しちゃダメだよ何言ってんの雷士!?』
同時に原型に戻り臨戦態勢をとる紅矢と澪姐さん。うわぁあああポケモンセンターが崩壊するからやめてぇええ!!
…とまぁそんなあたしの悲痛な叫びが届いたのか、斉の協力を得て何とか2人を抑えることに成功。助かった…ポケモンセンターを修復出来るほどのお金なんて持っていないしね。
「さて…それじゃヒナタから貴重な話も聞けたし、僕達はそろそろヒオウギに帰るとするかな」
『電気石の洞窟はもういいの?』
「うん、ヒナタ達と会うまでに充分な調査が出来たからね。帰って分析を始めるとするよ」
「お前達のことも引き止めて悪かったな。次はセッカシティに行くんだろう?」
『うん!じゃあみんな、あたし達も出発しようか』
ハル兄ちゃん達ともまた一時お別れかぁ…ちょっと寂しいけれどすぐに会えるだろうし我慢我慢!
「ヒナタ、僕の手伝いをしてくれるのは嬉しいけれど…くれぐれも無理はしないこと、いいね?」
『うん、分かってる。それじゃ皆、行ってきます!』
ポケモンセンターを出て疾風に跨がり飛び立つ。ありがとうハル兄ちゃん、皆。元気な顔を見れて嬉しかったよ!
さぁ、目指すはネジ山を越えた先にあるセッカシティだ。
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