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「ハルマさん…いいやお義兄さん!姫さん、じゃなかったヒナタさんのことは必ず幸せにします!だからオレに下さい!!」



…え、



「…はい、公開処刑決定よ。準備しなさい樹、昴!」

「おうよ!」

「いやいや確かにイラッとしたけどオレを巻き込むな頼むから!」

「嵐志貴様ぁあああ!!この俺を差し置いてヒナタ様を娶ろうなど断じて許さん!!」

「そ、蒼刃…怒る所そこなんだ…?」

「…はは、嵐志君は冗談が上手いなぁ。場を和ませようとしてくれたんだね?」

(無理矢理冗談だと思い込もうとしているな…)

「だ、旦那!黒いオーラダダ漏れやで!?」


じょーだん…冗談、そっか!


『もう嵐志ってば一瞬焦っちゃったじゃん!ジョークが上手いね!』

「そんなわけないでしょうに…ヒナタ君はアホですね」

〈うん、アホだね。本気にされても困るけどヒナタちゃんはアホだね〉

「死んでも治らねぇだろうなあのアホは」

『そこのドSトリオ!アホ連呼しないで傷付くから!』


少し前までは雷士と紅矢のコンビだったのに氷雨が増えてトリオになってしまったドS組…うん、泣きたい。

ていうか今のやり取りで何でそんなアホアホ言われなきゃならないの!?そう吠えたら氷雨に、「鈍感は黙っていなさい」と言って絶対零度の笑顔を向けられたので即行黙りました。

そしてその後暴れる蒼刃や樹を抑え、皆で遅めのお昼を食べたのだけど…そこで次は澪姐さんと紅矢が喧嘩し出してまた大変だった。


…だから、


2人を止めるのに必死だったあたしは、その時笑っている嵐志を見てハル兄ちゃんが何を思っていたかなんて、気付きもしなかったんだ。



−−−−−−−−



「済まんなヒナタ、片付けを手伝わせて…」

『ううん、いいの!斉のご飯相変わらず美味しかったし…これくらいのお礼はしないとね』


斉と並んでお皿洗いをするあたし。うん、お腹いっぱいだ。本当に斉ってば料理上手だから何でも美味しいんだよね…だからつい食べ過ぎちゃう。

最後のお皿をシンクに片付け終了。…あれ、さっきまでハル兄ちゃんいたのにどこ行っちゃったんだろう?


「あぁ、ハルマなら気にするな」

『斉…ハル兄ちゃんがどこにいるか分かるの?』

「ん、まぁ…想像はつく」


おぉ、凄いなパートナー…!斉がそう言うなら気にしないでおこう。


「ヒナタ、おやつが出来るまで皆とのんびりしてこい。準備が出来たら呼んでやる」

『シェフ!今日のデザートは?』

「こだわり卵をふんだんに使用した滑らかプリン、たっぷり生クリーム&フルーツ乗せ」

『やったぁああ斉大好き!!』

「おっと、」


素敵!斉ってば素敵!

思わずその逞しい体に抱き付くと斉は笑って頭をポンポンしてくれた。昔から斉はこうしてくれたっけ…あは、見た目に反して優しいよね。


「ヒナタちゃん!ちょっとこっちに来てくれる?」

『あ、うん!』


澪姐さんに呼ばれ別室へ。どうやらここは澪姐さんにあてがわれた1人部屋らしい。


「うふふ、見て見て!これヒナタちゃんに似合うと思って買っちゃったのよ!可愛いでしょう?」


澪姐さんがウキウキと取り出したのは淡い水色のミニワンピース。 う、確かに可愛い…!


「ほらヒナタちゃんにプレゼント!着てみて頂戴!」

『え、でも悪いよ!澪姐さんの方が似合うだろうし…、』

「なーに言ってるの、年齢的にもデザイン的にも私には可愛すぎるわよ!それに私がヒナタちゃんに着てほしくてプレゼントするんだから、ね?お願い!」


…澪姐さんみたいな美人さんにお願いなんてされたら断れる筈もなく、あたしは有り難く服を受け取ることにした。

実際見た目からかなり気に入ったし、後で着てみようっと!

澪姐さんにお礼を言い部屋を出る。あたしにあてがわれたという部屋に入ると、仲間達が思い思いにくつろいでいた。


『…うん、まぁ予想通りだよ。雷士が爆睡中ってことはね』


案の定お休み3秒の雷士はベッドで爆睡。蒼刃と疾風はポケモンセンターの外にあるバトルフィールドで手合わせ中らしい。

氷雨は難しそうな本を読んでいて、紅矢はポッキーを摘みながらテレビを見ている…あ、ちょっとあたしにも頂戴!


「あぁ?欲しいなら強請れ」

『強請れって…頂戴って言ってるじゃん』

「…ガキだなテメェは。紅矢様、ヒナタの口に入れて下さい、くらい言え」

「おや、そのようなことをヒナタ君に言われたら別のモノを入れたくなりますねぇ」

「…氷雨、言っとくがやらねぇぞ」

「ご心配なく、譲って頂かなくとも自分で手に入れますから」


…何の話をしているのだろう?とりあえずポッキー頂戴紅矢様!

何とか奪い取ったポッキーを食べながらふと思う。


(…そういえば嵐志もいないなぁ。何してるんだろう?)



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