3
『…それにしても、凍てつく…ってことは氷タイプのポケモンなのかな。辺り一面凍らせるなんて伝説のポケモンレベルかもしれないし』
「そーだな…レシラムやゼクロムに匹敵する力を持ってるかもな」
「れ、レシラムやゼクロムって…伝説のドラゴンポケモンでしょ?もう1匹、そんなポケモンがいるってこと…?」
「あくまで可能性だが…ヒナタ様、ハルマさんに一度伺ってみては如何でしょう?」
『あ、そうか!』
蒼刃の提案頂き!ハル兄ちゃんなら何かこのことについて知っているかもしれない。
早速ライブキャスターを取り出してハル兄ちゃんに発信する。するとワンコールで出た。え、早いね。
“ヒナタ!?ヒナタなんだね!?”
『も、もしもーし。そうだよ!ハル兄ちゃん元気?』
“僕は元気だよ。君こそどこも悪くしたりしてないかい?”
『うん、大丈夫!あ…それでね、ハル兄ちゃんに聞きたいことがあるんだけど…』
「なーなー、ハル兄ちゃんってことは姫さんの兄貴なのか?」
「いや…正しくは育ての親らしい。ヒナタ様はどちらかというと実の兄のように慕われていらっしゃるがな」
「や、優しい人でね、嵐志も会ったら分かるよ」
「ふーん…んじゃまずそのハルマさんに認められなきゃ姫さんとの結婚は無理なワケか…」
「貴様ぁあああ!!ヒナタ様とけ、結婚など…ったとえハルマさんが認めたとしても俺が許さん!むしろヒナタ様は俺が幸せにする!」
「ふ、2人共…まずマスターの気持ちを確認しないと…!」
『…っていう話を聞いてね、ハル兄ちゃんそんなポケモンのこと何か知らない?』
“うーん…それはもしかしたらキュレムのことかもしれないね”
『キュレム…?』
“僕も詳しいことは分からないんだけど…レシラム、ゼクロムに並ぶもう1匹のドラゴンポケモンと言われているんだよ”
『そ、それって凄く強いポケモンってことだよね?』
“そうだね…誰もその姿を生で見たことはないし、僕達学者も憶測しか出来ないから何とも言えないけれど…本当にいるとしたらとても強い力を持っているだろうね”
『そっか…』
“ただね、最近ジャイアントホールの近くでマイナス50度の気温が計測されたらしいんだ。そんなことが出来るのはかなり限られたポケモンだから、ひょっとしたら…ひょっとするかもしれないよ”
『…!』
ま、マイナス50度って…!確かに周囲の気温をそこまで下げられるポケモンなんてほぼいないと思う。だったらやっぱり…そのキュレムが?
“何にせよそのこともシャガさんなら教えてくれるかもしれない。僕よりよっぽど詳しいと思うよ”
『うん、ありがとう。シャガさんに会って話を聞いたら1回家に戻るね!』
“分かった。くれぐれも道中気をつけるんだよ!”
『あは、分かってるよ!じゃあまたねハル兄ちゃん』
ハル兄ちゃんとの話を終えて通話終了ボタンを押した。…キュレム、かぁ。一体どんな姿をしているのだろう。
『よし、皆待たせてゴメ…ん?』
クルリと振り返ったら蒼刃と嵐志が何やら言い争いをしていた。ていうかやっぱり蒼刃が一方的に怒っている。…何事?
『疾風…この2人は何で喧嘩してるの?』
「え、えっと…マスターは気にしなくていいよ」
『?そっか』
とりあえず近所迷惑だからやめさせました。
−−−−−−−−−
「キュレム…ですか」
『そう、そのキュレムも伝説のドラゴンポケモンなんだって。ただ詳しいことは誰も知らないみたい』
「んー…オレも聞いたことねーな。Nんとこにもそんな資料なかったし」
…Nさん、か。そういえば彼は今どこにいるのだろう…?嵐志と会わせてあげたいのにな。
そうだ、Nさんもレシラム達に詳しいみたいだし…もし会えたらキュレムのことを聞いてみようか。
「それで…ヒナタ様、この後はどうされますか?」
『あ、そうそう!傷薬とか色々買い物しないとね。ついでにあたし達を裏切って部屋で爆睡してるだろう2人に何かお土産買ってあげよ?』
「怒ってんだかそうじゃないのかよく分かんねーな姫さん!」
もしも、コバルオンが言っていた妙な胸騒ぎの原因がキュレムだったとしたら。それに…Nさんが言っていた2年前の出来事のように、またプラズマ団が伝説のドラゴンポケモンを狙っているのだとしたら。
…彼らの企みには、キュレムが関係してるのかもしれない。
(まぁ…あたしの推測で決めつけちゃいけないけれど)
ともかく今はシャガさんに会って詳しく話を聞かなきゃ。その前にしっかり準備をしないとね!
さぁ、明日はソウリュウに向けて出発だ。
to be continue…
prev | next
top
|